異世界短歌 冬
岩山に粉雪まぶす雪女指に絆の輪をはめて笑む
(雪女の夫
岩ばかりの剥げた山を、粉雪でお菓子のように彩るのは俺の妻。
その指に輝くのは、絆の指輪。氷でできた指輪は、俺と彼女の絆の証。
どう?美味しそうでしょ。なんて少女のように笑う雪女の妻の可愛らしさと言ったら!
今晩、彼女が作るケーキも、こんな風かなと楽しみにしつつ帰ろうか。)
寒き日々龍には辛きこの季節春待ち眠り早五十年
(冬の世界の龍
この世界が冬になってから五十年経った。冬に入ったばかりの頃、春になったら起きようと思って寝たとある龍。
彼ら龍は、冬の時期の寒さが耐えられない。だから冬になったから寝ようと、目を瞑った。
それから五十年。未だ冬の季節は終わらず……
春を司る龍神が起きるのは、さていつになるでしょうか。)
暖炉にてチーズ溶かしてパンに塗る冬に勇者の目覚め待つ姫
(山の小屋にいるお姫様
山の中の小屋。そこでチーズパンを作るのは、亡国の姫。
勇者が魔王を討った後、眠りについた世界で勇者が起きるのを待つ。
彼が好きだったチーズパンを作りながら、冬を過ごす。
彼が起きた時、最初に食べてもらうために……)
異世界にて俳句・短歌詠む バルバルさん @balbalsan
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