α2

 僕はその晩、必死に反省文を書いた。


翌日…


「お〜α、よく頑張ったじゃないか!後は、Ωだけなんだがな...」


そして、遅れてΩもやってきた。


「お〜ふたりとも、よく頑張ったな。α!お前はちょっと話したいことがある。少し残ってくれ。」


「え〜俺は、もう帰ってもいいんだな?」


と目をキラキラさせながら、Ωが言い出ていった。


「それでな、αそんなに重要なことじゃないんだが、今日の放課後校長室に来るように、言われているから、送れずに来ることだ」


僕は少し安心したと共に、不安がこみ上げてきた。


「え?僕校長先生に何か言われるような事しましたっけ?」


「さぁな先生も詳しいことは聞いていないんだ。まぁ放課後ゼウス校長に聞くんだな...」



「はい...」



そして、授業が始まった。



しかし、校長室に呼ばれるなんて何をしたのだろう?全く心当たりがないのだ。



キーンコーンカーンコーン♪ 放課後になった。


そして、校長室に急いで行った。


コンコン……


「失礼します。1年υ組のαです。」


「入りなさい」


そこには、いつもより真剣な顔つきでいるゼウス校長がいた。


「君を呼んだのには理由があるのだがね……」


僕は息を飲んだ。


一体どんなことをを言われるのだろうか...「実はな、今度この学園に転入生が来ることになったんだ。」


「へぇ〜」


そういえば、転校生が来るとか言っていた気がする。でもそれが僕になんの関係が……


「その人は男ですか女ですか?」


「それは、まだ分からないんだ。だがかなり優秀な子らしいぞ」


「そうなんですか。」


それなら良かった。女の子だったら、一緒に帰るときに気まずくなるし、男の子だったら、仲良くできるかもしれない。


「そこでだ。α君はその子に色々教えてあげて欲しいんだ。」


「つまりは、世話役ってことですか?」


「まぁそういうことだな...君は成績も上位だしほら...友達も多いだろ?」


「...は、はぁ」


「というわけで頼んだよ!」


「わ、分かりました……」


ガチャ…… こうして僕は、謎の転入生の世話役になってしまった。


一体どんな人なんだろう……楽しみでもあり不安でもあった。


そして次の日……


「おい!α!今日転入生来るんだってよ!しかも美女らしいぜ!俺にも紹

介してくれよ!」


とΩが話しかけてきた。


「ま、まぁ努力はするよ」


「まじ!?︎やったー!!︎」


そして、チャイムがなり担任の先生が来た。


「おはようございます。今日はこのクラスに新しい仲間が加わります。どうぞ入ってきてください。」


ガラガラガラ…… 教室の中に入ってきたのは、とても可愛らしくて清楚な美少女だった。


「自己紹介お願いしてもいいかな?」


「はい。私の名前は美月渚と言います。よろしくお願いします。」


「ちなみに、αお前が教育...いや世話係だったな!よろしく頼むぞ」


 クラスの男子の視線がすごく感じる...それに女子からは嫉妬の目線を感じる……これは辛い……


「はい、分かりました……」


「では席は、α君のとなりに座ってください。」


「はい」


彼女は僕の隣の席に座った。


「これからよろしくね」


と挨拶すると、


「こちらこそよろしく...世話係さん」


と彼女はクスクスと笑う。可愛い……


「えっと、じゃあ教科書見せないと行けないから机くっつけるね」


「うん」


そう言って、机を寄せた。


その時の彼女の匂いが鼻腔をくすぐりドキドキしてしまった。


そして、休み時間になると、


「ねぇ!渚ちゃんどこの学校から来たの?」


「好きなものは?」


「彼氏はいるの?」


など質問攻めにあっていた。


「ごめんなさい。ちょっと疲れちゃうので、後でいいですか?」


「分かったよ」


みんな残念そうだ。


僕も少しだけ彼女と喋りたかったな…… 昼休み時間彼女はこちらに駆け寄って来た。


「ねぇ、お弁当食べようよ」


「え?僕達会ったばかりだよ?もう少しお互いの事を知ってからの方がいいんじゃないの?」


「私は大丈夫だけど?」


「そっか、じゃあお言葉に甘えて」


そして、僕達は屋上に向かった。


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希臘第一高校 社畜オンパレード @syatikuonnpareedo

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