昔日の夜明け
第1話
世の中というものはどうして.....なんというかこう、つまらないんだろうか.....
俺が現在通っている高校
凱旋鳥の鳴く声が聞こえてくる.....
長閑な景色と大空を舞う美しく偉大な鳥たち.....
ここ、三高はその名の通り.....帝󠄁都すなわち首都たるこの都市に存在する高等学校高等科のうちの三番手である。故に、郊外にあるのだが.....何故ここを.....と問われれば俺は中学校での成績により.....二高を勧められたものの、成績が心配でワンランク下のここの門を叩いたのだ。勿論、それが全てではない。自然豊かなここに見学で来た時に惚れてしまった.....そんな理由も大方を占めているというのは俺の敬愛する父にも言っていない.....
「おい、カナン」
ふと、我に返る。
あぁ、退屈な講義が終わったのか.....
共にこの高校へ進学した幼少期以来の親友の鹿戸來夜.....渾名は.....そのまま.....ライヤ.....に
真剣な眼差しで呼ばれて気がついた.....
「今の講義聞いたか?力学には、魔術に通ずる点が多々あるってよ.....お前力学の成績良くなかったっけ?たしか.....トップ5だよな。お前は魔術苦手だけど.....この先なんとかなるかもな.....笑」
「はぁ、俺の気にしている科目でからかうのはやめてくれ.....」
そんなわけが無い.....この世界は魔術が全てだ.....
この世界には技師はいる.....俺がなってみたかった職種だ.....だが、俺がなることは出来ない。何故なら、生まれた家でなれるかどうか決まる.....いや、社会からの扱いの割に美化しすぎてしまった.....そう、エリートがなる職業では無いのである.....
政、魔、理.....そう、この三大分野こそがエリートの証.....
「はぁ、軍人.....技師.....かっこいいなぁ.....」
思わず声が溢れる
「いやいやお前は脳内お花畑すぎるんだよ。聞いたところによると想像を絶する過酷さらしいぞ....」
藍鉄の劫火 葉坂吏斐人 @masterxenonhart
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