計画実行!


 それから俺たちは反帝国軍の人たちと一緒に、ディランたちをどう倒すか計画を練り続けた。あいつらはかなり厄介な相手であるからこそ、念には念を入れてとことん準備を重ねる必要があるからだ。


 その間、ドロシーと俺は反帝国軍の人たちと交流も重ねて信頼は得ることができたと思う。やっぱりお互い同じ目的を持っていることもあるし、何よりドロシーがアジトの中で美味しい料理を作ったことで一気に距離が縮まった気がする。


 そして、いよいよ計画を実行する時がきた。


「……ドロシー、大丈夫か?」


「……うん、私は大丈夫だよ。これを成功させて、絶対にお兄様を止めてみせるから」


 月が照りかがやき、みんなが寝静まっている時間。俺たちは帝国にある城の裏口あたりにこっそり侵入していた。


 計画の詳細はこうだ。まず、入り口付近で他の仲間たち数人が騒ぎを起こす。そこで兵が引きつけられている間に俺たちを含めた各グループ、それぞれ別々の場所から城内に侵入して、ディランを打つ。それが俺たちの立てた計画だ。


 ……これが本当に上手くいくのかは、正直不安ではある。でも、どうせ何をしたところで結局不安は感じるだろうし、もう覚悟はできている。ドロシーと一緒に、絶対幸せな未来を掴み取るんだ。


「じゃあドロシー、まずは計画通り俺たちはディランに捕まった人たちを助けよう。セシリア様も、地下の牢屋にいる可能性が高いんだよな?」


「きっとそうだと思う。私も……そこに入れられたし。きっと、お兄様に逆らった人はみんなそこにいるはず。助けられたら……みんな手伝ってくれるかな?」


「そうしてもらえるよう、俺たちが説得しないとな。じゃあ、行こう!」


「うん!」


 そして俺たちは城の中に侵入して、兵士たちにバレないようこっそりと牢屋に向かっていった。城内からはすでに兵士たちが敵襲が来たと騒ぎ始めていて、本当に計画が始まったんだと実感する。


「ここからいけるよ。急ごう」


「オッケー」


 城内のことを理解しているドロシーに案内されるがままに、俺たちは兵士たちと遭遇せずに牢屋までたどり着くことができた。


「……あれ、なんだかおかしくないか?」


 だけど、牢屋に着くとそこは全く明かりがついていない、暗闇に包まれていて。すぐに明かりをつけてみると、そこに見張りの人は誰もいなかった。


「え? ……た、確かに。み、見張りの人が誰もいないなんてそんなこと……あ! え、エリック、後ろ!」


「え……おっと!」


 辺りを見回している隙に、背後から俺は何者かに襲われる。ドロシーが気づいてくれなきゃ、俺はそれを防げなかっただろう。


「誰だ!」


「チッ、外したか。だがな、お前らのクビをとれば俺はディラン様にたんまり報酬をもらえるんだよ。だからさっさと死んでくれ!」


「なんなんだよこいつ……。ドロシー、捕まってる人はいるか!?」


「い、いない……。も、もしかして、お兄様は私たちがここにいることをわかってたの……?」


「嘘だろ……。とにかく、こいつを倒さないことにはどうしようもない。絶対に離れないでくれよ、ドロシー」


「う、うん!」


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悪役令嬢だった幼馴染が奴隷になっていたので、大金積んで婚約者になってもらうことにした 倉敷紺 @tomogainai

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