全ての国王の顔が引き攣った!!魔王よりも魔王してる勇者外伝その1024

KEIV

冒険者よ、このホームページを見て準備をするのだぞ。By 魔王

先輩冒険者

「お前もいよいよ訓練生を卒業して冒険者の仲間入りか。とりあえずおめでとう、新米」


新米冒険者

『ありがとうございます!!

ところで魔王城ってどんなんなんですかね?

セキュリティの事を考えるとランサムウェアか田代砲当たりが有効だろうから……

あ。ランサムウェアも田代砲も安くなってるし買うか。あ。でも待って、そうなるとアンテナモジュールがいるな……

軽装輪装甲車にモジュール積めば済むかな……』


「いきなり魔王城行くの!?ていうか、すごくデジタルな戦い方!?」


『いやいや。すぐには行きませんけど、魔王城攻略を見越して装備編成しておいた方がいいと思いません?

訓練も兼ねれますし』


「そういうことなら……ほら、ここがオレの行きつけの装備屋だ。必要なものを見繕いな。記念にオレが奢ってやるさ」


『あざっす!!

って、あっ……

剣に盾に槍に弓矢……

うむむ……

どれも打撃力に欠けんだよなぁ……』


「打撃武器なら右のコーナーの方だな。棍棒とかでも使うのか?」


『うーん。そこはまだ考え中ですね。

………………?

鉄バットに釘バットに使用済みのひしゃげた鉄バットに某選手のサイン入バット……

バットしかないじゃないですか!!』


「よし、一番最後のはオレが買う!」


『ちょっとだけ値をあげてどこかに売りさばくんですね!!

さすがです!!

マネジメント!!』


「いや、オークの頭を叩き潰すのにちょうどいいかと思って」


『まぁ確かにそうですね……

あ。あんなところに聖剣エクスカリバーがあるじゃないですか!!

しかも隣にはHK417……

あー。そういう事ですか。着剣しろってことですね!!

これ買いましょうよ!!』


「メインがどっちかわかんねえなそれ!そして伝説の剣惜しみねえな!!」


『いやぁ。だって、着剣してフルスイングしたら遠心力でダメージに+5の補正がかかって強くなりますし』


「銃身がもつのか、それは」


『ご丁寧に隣に置いてますね……

強度に補正がかかったバレルが……』


「お前、分解と組み立てできんのか……?まあ、いいけど」


『魔法(趣味の家具家電分解と再組み立て)でどうにか出来ると思います』


「もう、冒険者よりもそっちで食っていったらどうだと言いたい」


『いやぁ……

昔ガンスミスのスキル取ろうと思ったんすけど、話聞いてみたらとんでもなく仕事がめんどくさいらしく。

なんで冒険者に転向しました☆』


「ある意味才能の塊みたいなやつだな、おい」


『いえいえ。そんなことは無いですよ。スコープ無しで4km級狙撃出来るくらいですし、訓練で罠張ってみたら物の見事に敵役20人がひとまとまりにハマっただけですよー』


「うん、もういいや。それより、得物だけでなく冒険に必要な小物とかも探したらどうだ」


『それもそうですね。とりあえず、蘇生薬を50ダースくらいと持続回復薬をトラック1台分、即時回復薬を5台分くらいですかね?』


「うん、どこに保管しとくんだろうね」


『冷蔵車を10台ほど国王から頂いてたはずなので問題ないと思いますよ?』


「そして代金はどうするんだろうね」


『国王にツケておきます(笑)

魔王討伐のひつようけいひー』


「……国がバックにいるって恐ろしいな」


『国がバックにいようとブラックなら吹き飛ばすまでです(笑)』


「黒いのはお前の心だわ!」


『そうですかね(笑)

まぁもう既に国王の城にスパイ紛れ込ませてるんでなんでも良いんですけど。

あとは……

食料か。食料は、行く先々で【○円食堂】って書いた暖簾付けたキッチンカー乗って村人のところ突っ込めば済むか』


「やりたい放題過ぎる!?」


『経費の節約〜♪♪』


「はぁ……もう何も言わねえよ。それより、オレの一押しのアイテムも見ていかねえか?おススメがいくつかあるんだが」


『是非是非!!』


「じゃあまずは希望のあった打撃武器からだな。とりあえず、はいこれ、フライパン」


『硬式テニスボール打ったらよく飛びそうですね(笑)

あー。でも赤くなるまで加熱して顔面に押し付けるのとかも楽しそう(笑)』


「言わずと知れた打撃武器の王道だな。今までに何匹のゴブリンの頭蓋をこれで叩き潰してきたか」


『で、何枚フライパン穴開きました?』


「穴空いたやつはないかな、取っ手が折れたり曲がったやつは数あるけど」


『へー。なんかクソデカ親子丼作るのに便利そうですね。ひしゃげ方次第ですけど』


「最近は、取っ手をすぐ交換できるティ〇ァールにしたぜ」


取っ手の取れる~♪


  〃 ΛΛ三Λミ

`。・。・ (ω・≡・ω) 。・。・。

ヽニフ━oc ≡oo━ヽニフ

   ミ三 =-彡

     ミ≡彡


ティ○ァール♪


〃 ΛΛ ミ ブン!!

 ( ・ω・)

 / ニoo━ 彡

、( 、>

) \) \\


「正面に構えれば下手な矢もはじくし、炎魔法も止められる!」


『おー!!

凄いですね!!

それに50口径ライフル弾も弾き返せると!!』


「それは無理。ちなみに、火の魔法を使えば調理器具にもなるから一石三鳥だな」


『確かに確かに……

食料消し炭にするにはもってこいですもんね(笑)』


「火力高すぎんか!?」


『あー。流石に火力上げすぎましたかね。生焼けぐらいが丁度いいですよね!!』


「極端!……そうそう、フライパンとセットでおすすめのモノがあるんだわ」


『フタですか!?

鍋ですか!?

落し蓋ですか!?

落し蓋ですね!!』


「残念、このフォークだ!」


『おー!!

フルスイングで投げると50cmのコンクリートをぶち抜くアレですね!!』


「お前の身体能力どうなっとんねん!?」


『どのパラメーターも0が画面外まで出てますね』


「もう装備とか要らないのでは???」


『いやーいくら筋肉あっても武器には勝てませんからねぇ……

まぁ戦車の1両や2両くらいなら簡単に壊せるんですけどね』


「……フォークでも刺突武器として使えそうだな。小型の三叉槍みたいな感覚で」


『あー確かに。なんなら両脇の槍の部分を両目に合わせたら丁度脳幹ぶち抜きそうですしね』


「さて、武器のみでなく冒険で役立つ小物も紹介しておこうか。まずは、この特殊なポーションだ」


『ほい。どんな効能で?』


「口に含むと、一時間程度だが味覚が麻痺する。何の味も感じなくなるという代物だ」


『その薬作った奴の居場所教えて欲しいわぁ。エクスカリバーで首跳ねたいわ』(補足:コロナとかではないけどリアルボディーで何回か味覚死んでしんどい思いしたことがある人)


『はははははは。冗談じゃなくその薬飲みたくないです。味覚障害の時の食事がトラウマになってるんで……』


「逆に考えよう。食料が尽きた時に魔物の肉を喰らうような事態になっても、これがあれば味を気にせず食べられる」


『酢とか味噌とかオイルとかハーブの類いでだいたい誤魔化し効くじゃないですか!!

わざわざ味覚飛ばす必要ないでしょ!!』


「あと、パーティ仲間にメシマズ属性の女性がいた時の緊急避難にも使える。これに何度助けられた事か……」


『先輩……

諦めて料理スキル取りましょーや』


「……やめてくれぇ。それはロブスターでなくただのザリガニだ。野菜を皮も向かず泥も落とさずに鍋に放り込むんじゃない。みんなの体力が早く回復するようになんて言いながら、カレーに回復ポーションを混ぜ込むんじゃない――」


『料理ってモンを教え直さないとヤバい人達じゃないっすか。リアルボディーでそこそこ料理しておいて良かった……

飯の件はまぁ安心してください。てなワケでんな薬は要らん!!』


「そ、そうか。じゃあこの寝袋はどうだ?ダンジョン内で寝る時には必要だろう?」


『寝袋よりコット(キャンプなどによく使われる簡易ベッドのようなもの)の方が寝心地良くないですか?

雑魚寝は流石に嫌ですよ』


「ところがどっこい、こいつはミスリルの糸で織られていてな。寝ている最中に襲われても傷一つつくことはない」


『某作業着メーカーの製品みたく外は大丈夫でも中が大惨事みたいな事起きないですよね?』


「心配ない。強力な耐熱耐冷機能があるから火炎も氷結も受け付けないし、衝撃を緩和する裏地もついている。……強いて言うなら、構造上顔の周りは無防備だから、そこを攻撃されると死ぬ」


『1番致死性高いところがむき出しって……』


「ちなみに、オリハルコンでできた上位モデルもあるぞ!」


『顔出ししてたら意味ねぇやろがい!!』


「作った職人にでも言ってやってくれ。……ああそれと、これは便利だからぜひ持っていくと良い」


『???』


「歩数計だ。ダンジョンでどれくらい迷い歩いたかが一目瞭然!ダイエットがはかどるぞ」


『【ンなもん1番要らねぇよ!!】と【I have a smartwatch!!】ってツッコミ思いついたんやけどどっちを言うべきですかねこれ!!』


「お口にチャックで♪」


『サビまみれガッタガタなチャック差し出されても困るんやが』


「しゃーねーな。じゃあ、オレが心からおすすめできる、お前にぴったりなとっておきの装備を紹介してやろう」


『これは期待出来る!!』(キラキラした瞳で見つめる)


「ほれ、何の変哲もないショートソードとバックラーだ」


『歩数計並に要らねぇよ!!』(キラキラした瞳で煮詰める)


「なんだかんだいってはじめての冒険だろ?肩肘張らずに扱いやすい装備を選ぶのが一番だと思う」


『そうですよねー。なので膝踵張って行こうと思います』


「うん、張るのは意地だけにしとけ」


『へーい。

おっちゃん!!

HK417と専用強化バレル、エクスカリバーとマガジン・弾の一式頼むわ!!』


「結局それかーい!オレの財布を空にする気かぁぁぁぁっ!!」


『いえ、国民の財布を空っぽにするだけです(笑)』


「血税を使うな!」


『魔王城の財宝とか売り捌けば補填出来るしヨシ👈🐱』


「こいつ、魔王よりも魔王だよ。邪悪の化身だよ。こんな奴にエクスカリバー持たせるとか正気の沙汰じゃねえよ」


『あれ?

先輩俺のユーザーネーム知りませんでした?

【Tactical fool】って戦術的なバカって意味っすよ?』


「堂々と開き直るのやめちくれい」


『嫌です♥』


「もうやだこの後輩」






──そんなふざけた事を言いあいながらランサムウェアを魔王城に送るTactical foolであった──

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