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 こうなったらイチかバチか能力を使って、鎧の騎士の動きを止めるしかない。この危機を乗り越えるにはそれしか思いつかない。


 僕は目を瞑り、鎧の騎士に向かって想いを念じる。


『鎧の騎士よ……どうか止まってくれ……。もう僕らが戦う理由は何もない……』


 …………。


 ……んぐっ……ぅ……。


 ……全身から一気に力というか、魂が抜けていくような感覚がする。


 気を抜くと意識を失ってしまいそうなくらいの苦しさ。激しい脱力感。全身に鳥肌が立って、心臓が締め付けられるような気持ち悪さ。足が震える。耳が遠くなる。呼吸がうまく出来ない。


 だけどこの手応えは力が発現している証拠でもある。鎧の騎士へ確実に力が伝わっている。あとは僕の精神力や体力がどれだけ持つかどうかだ。


 鎧の騎士の動きが止まるのが先か、それとも僕が倒れるのが先か……。



 この時、僕の頭に浮かんだ想いは――



●タックを守ってみせる……→21へ

https://kakuyomu.jp/works/16817139556074419647/episodes/16817139556075567682


●勇者の末裔としての誇り……→33へ

https://kakuyomu.jp/works/16817139556074419647/episodes/16817139556076015731


●自分自身への叱咤……→12へ

https://kakuyomu.jp/works/16817139556074419647/episodes/16817139556075135724


●何も考えられない……→17へ

https://kakuyomu.jp/works/16817139556074419647/episodes/16817139556075275666


 

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