終章 銀の森の枝の眼鏡の秘密

 ミローナとフィリップの思いが通じ合った日の夜、ミローナはいつもは外して眠る銀縁眼鏡を試しにかけたまま眠ってみました。

 銀の森の枝の眼鏡もまた、魔法の道具なのですから。この眼鏡をかけて眠れば運命の相手が夢に現れるという……。ミローナが自ら作ってみたものの、下手に人に貸すと混乱を招くので今までずっと自分だけ普通の眼鏡として使っていたのです。


 ミローナは何故そんな混乱を招く道具を自ら試したのでしょうか。

 

 それはたとえフィリップが運命の相手でなくても、自分の心を貫くためでした。


 銀縁眼鏡をかけて眠った翌日ミローナは眼鏡を潰して捨てて魔法の炎で燃やしてしまいました。そして新しい金縁眼鏡をかけるようになりました。


 フィリップとミローナは結婚して末永く幸せに暮らしましたが、銀の森の枝の眼鏡をかけて眠った日、夢の中にフィリップさんが出てきたのかどうかは、小さな永遠の謎です。

                                    終

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恋の魔法使いの言葉と心 肥後妙子 @higotaeko

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