「ミストリアンクエスト」は、終焉を迎えた世界と、それを復活させた神による奇跡をテーマにした壮大なファンタジー作品です。再生された世界で、主人公エルスが仲間と冒険を続ける中、彼が人々を大切にする性格には共感でき、過去や試練に立ち向かう姿には自然と応援したくなります。
また、ヒロインのアリサの成長していく姿も魅力的で、物語の進行とともに心を惹きつけられます。本作の魅力の一つは、登場人物たちの描写が非常に丁寧で、彼らに感情移入しやすいところです。
私は、関連作品である「ミストリアンエイジ」を読了してから「ミストリアンクエスト」を読み始めました。どちらの物語を先に読むかによって異なる楽しみ方ができるでしょう。
どちらも共通して驚かされるのは、登場人物一人ひとりにしっかりとした背景が描かれている点です。脇役にすら、それぞれの物語が存在するほど、世界観が深く作り込まれています。そして彼らの心情が「ミストリアンクエスト」の中で再び浮かび上がる時に、胸を打たれたのを今でも忘れません。
さらに、戦闘描写も本作の大きな魅力の一つです。様々な魔法を駆使し、敵や状況に応じた戦闘場面や仲間同士の連携が巧みに描かれており、緊迫感と迫力満載で、予測できない展開に毎回ハラハラしました。武器や独特なアイテムも楽しませてくれます。
物語が進むごとに主人公の背景や世界の謎が徐々に明かされていく展開も、次の展開への期待感を膨らませます。
この作品は、キャラクターの成長や絆、緻密に描かれた壮大な世界観を楽しみたい読者に特におすすめです。また、個性的なキャラクター達による迫力のある戦闘シーンや、命と死の儚さを美しく描いた物語に惹かれる方にもぴったりの一作です。
皆さん、「謎」はお好きですか?私は好きです。
物語に於いては多くの場合、それが伏線として働きます。ふわっと匂わされた謎が気になって読み進め、ひとつほどける度に、よりその物語を好きになる…読み物では、それが理想的な形かと思います。
この物語の最大の魅力、それがまさに謎なんです。登場人物の出自、背景や過去、ひいては世界の仕組みに至るまで…実に多種多様な謎が、物語のあちこちにちりばめられています。正直、この謎がある程度解明される展開まで読み進めなければ、レビューを書く事が躊躇われたほどです。
それぞれの謎のバランスも非常に秀逸で、世界を揺るがすものから「やっぱりな」と納得出来るものまで、明かされていく度に胸が躍ります。
謎に包まれたこの世界で繰り広げられるのは、いわゆる王道のハイファンタジー。溌剌とした主人公エルスを中心とした冒険譚ですが、初めはほんの小さな依頼から、徐々に壮大に変化していく展開は、やはり王道でありながらも非常に読み易く、肩の力を抜いて楽しめる読感です。
物語に花を添えるのが、登場人物達に上手く振り分けられた個性と、彼らが見せる生き生きとした躍動感です。特徴的な語尾等は少し抵抗のある方もいらっしゃるかもしれませんが、このお話に限っては楽しめる要素のひとつ。むしろ、キャラクターをはっきりと打ち出していて、作者様の巧みな注力が窺えます。
読み進めながら、文字通り一喜一憂出来て、謎が解ける度に先が気にかかる…様々な彩に満ちた王道ファンタジーの世界を、エルス達と共に冒険してみてはいかがでしょうか。
最新話まで拝読してのレビューです。
舞台は神によって再生された世界。命あるものが霧に還り、それを生者が見送る様は物悲しくもどこか美しく感じられます。
主人公のエルスは荒っぽいところもありますが、真っ直ぐで仲間思いで、応援したくなる魅力を持つ人物です。彼の成長や葛藤は物語の中で丁寧に描かれており、読んでいるうちに自然と感情移入しています。
ヒロインのアリサも、物語が進むにつれ主体性を持ち成長していく様子がはっきりと分かり、どんどん好きになりました!このようにキャラクターひとりひとりに物語があり、話が進むにつれ愛着が湧いてきますね。
また、この作品は戦闘描写が巧みです。相対する敵やシチュエーションによる戦い方の違い、仲間たちの連携、躍動感などが伝わり、どの戦いもそれぞれ異なる印象と面白さを感じます。
少しずつ主人公や世界の謎が明かされていく中、これからの展開も楽しみです!
乱筆失礼いたしましたm(_ _)m
第3章122話の最新話まで拝読してのレビューです。
作者様も試行錯誤されているとおり(その辺は近況ノート参照)、昔ながらの改行なし、文字びっしりから、現在はウェブ小説の主流でもある改行あり、空白多めといったスタイルになっています。
これを読みやすいと取るかどうかは読み手次第なのですが、やはり縦書き書籍ではないウェブ小説ではあった方が読みやすいとする方が多いでしょう。
前置きが長くなりました。
物語は、あらすじにも書かれたとおり、終わりを迎えた世界ミストリアスを舞台に、駆け出し冒険者で主人公のエルスが幼馴染のアリサと共に父親の仇の魔王を討つために旅に出るという、まさしく王道展開、それも古典的ラノベファンタジーです。
文章は地の文と会話文とのバランスがよく、何より読みやすいです。この辺、前置きでも書いたとおり、作者様の工夫の甲斐あってのものでしょう。
主人公エルスはアリサ等、周囲の人たちに恵まれ、支えられ、冒険を続けていきます。ここにも王道要素がたっぷりです。主人公の成長、アリサとの愛らしいやり取り(恋心は!?)、熱いバトル、舞台そのものの謎解き等々、魅力が詰まっています。
主流テンプレからは外れていて、作品アピールの機会が少ないため、★の数はまだまだ少ないのですが、もっともっと評価されてよい作品であることは間違いありません。
ぜひともこの機会に触れてもらいたい作品です。ご一読ください!
王道ハイファンタジー系の作品です。
ヒロインや周囲の大人達に支えられて、少年の
戦いを通じた成長や、主人公自身に関する謎への探究が描かれていきます。
正統派の冒険小説ですが、文章のテンポがとても良く、表現や描写もくどすぎないバランスでしっかりと描かれており、とても読みやすいです。空白行無しでこの読みやすさを実現するのは、書き手としてはとても技量が必要ですので、作者様の文章力の高さが窺えます。
キャラクター描写もお見事でした。
ガラの悪い粗暴な勇者かと思いきや、重い過去を持ち、きちんとした観察眼と信念を持った人物だったりと、読み進めるにつれ魅力が引き出されていきます。
個人的には、主人公とヒロインの距離感がお見事でした。幼馴染み特有の距離感の近さがあり、それでいて不自然なベタベタ具合は感じませんでした。
正統派の文芸ファンにもお勧めですし、ライトノベルを主軸にしている方でも、楽しく読める作品だと思います。