皆さん、「謎」はお好きですか?私は好きです。
物語に於いては多くの場合、それが伏線として働きます。ふわっと匂わされた謎が気になって読み進め、ひとつほどける度に、よりその物語を好きになる…読み物では、それが理想的な形かと思います。
この物語の最大の魅力、それがまさに謎なんです。登場人物の出自、背景や過去、ひいては世界の仕組みに至るまで…実に多種多様な謎が、物語のあちこちにちりばめられています。正直、この謎がある程度解明される展開まで読み進めなければ、レビューを書く事が躊躇われたほどです。
それぞれの謎のバランスも非常に秀逸で、世界を揺るがすものから「やっぱりな」と納得出来るものまで、明かされていく度に胸が躍ります。
謎に包まれたこの世界で繰り広げられるのは、いわゆる王道のハイファンタジー。溌剌とした主人公エルスを中心とした冒険譚ですが、初めはほんの小さな依頼から、徐々に壮大に変化していく展開は、やはり王道でありながらも非常に読み易く、肩の力を抜いて楽しめる読感です。
物語に花を添えるのが、登場人物達に上手く振り分けられた個性と、彼らが見せる生き生きとした躍動感です。特徴的な語尾等は少し抵抗のある方もいらっしゃるかもしれませんが、このお話に限っては楽しめる要素のひとつ。むしろ、キャラクターをはっきりと打ち出していて、作者様の巧みな注力が窺えます。
読み進めながら、文字通り一喜一憂出来て、謎が解ける度に先が気にかかる…様々な彩に満ちた王道ファンタジーの世界を、エルス達と共に冒険してみてはいかがでしょうか。
最新話まで拝読してのレビューです。
舞台は神によって再生された世界。命あるものが霧に還り、それを生者が見送る様は物悲しくもどこか美しく感じられます。
主人公のエルスは荒っぽいところもありますが、真っ直ぐで仲間思いで、応援したくなる魅力を持つ人物です。彼の成長や葛藤は物語の中で丁寧に描かれており、読んでいるうちに自然と感情移入しています。
ヒロインのアリサも、物語が進むにつれ主体性を持ち成長していく様子がはっきりと分かり、どんどん好きになりました!このようにキャラクターひとりひとりに物語があり、話が進むにつれ愛着が湧いてきますね。
また、この作品は戦闘描写が巧みです。相対する敵やシチュエーションによる戦い方の違い、仲間たちの連携、躍動感などが伝わり、どの戦いもそれぞれ異なる印象と面白さを感じます。
少しずつ主人公や世界の謎が明かされていく中、これからの展開も楽しみです!
乱筆失礼いたしましたm(_ _)m
第3章122話の最新話まで拝読してのレビューです。
作者様も試行錯誤されているとおり(その辺は近況ノート参照)、昔ながらの改行なし、文字びっしりから、現在はウェブ小説の主流でもある改行あり、空白多めといったスタイルになっています。
これを読みやすいと取るかどうかは読み手次第なのですが、やはり縦書き書籍ではないウェブ小説ではあった方が読みやすいとする方が多いでしょう。
前置きが長くなりました。
物語は、あらすじにも書かれたとおり、終わりを迎えた世界ミストリアスを舞台に、駆け出し冒険者で主人公のエルスが幼馴染のアリサと共に父親の仇の魔王を討つために旅に出るという、まさしく王道展開、それも古典的ラノベファンタジーです。
文章は地の文と会話文とのバランスがよく、何より読みやすいです。この辺、前置きでも書いたとおり、作者様の工夫の甲斐あってのものでしょう。
主人公エルスはアリサ等、周囲の人たちに恵まれ、支えられ、冒険を続けていきます。ここにも王道要素がたっぷりです。主人公の成長、アリサとの愛らしいやり取り(恋心は!?)、熱いバトル、舞台そのものの謎解き等々、魅力が詰まっています。
主流テンプレからは外れていて、作品アピールの機会が少ないため、★の数はまだまだ少ないのですが、もっともっと評価されてよい作品であることは間違いありません。
ぜひともこの機会に触れてもらいたい作品です。ご一読ください!
物語は、『再び』造られた新たな世界。
そこで起きた異変に主人公とその仲間たちが挑む。なぜ異変は起きたのか?そこに関わる者とは?
様々な思惑、因縁や葛藤を抱えた人間味豊かなキャラクターたちの心の機微が、物語を大きく動かしていきます。
オリジナリティ溢れる世界観も新鮮に読むことができますし、一つのバトルやエピソードがしつこくなくそれでいて重要な意味を持っています。読者を飽きさせないポイントにもなっているのではないかと思います。
けれど戦闘シーンは躍動感モリモリ!
バトルものに馴染みがなくても、息遣いや緊迫感が肌を伝ってきます。
冒険者とは何か、仲間とは何か、生きる覚悟とは?
主人公エルスの姿からその生き様を受け取った時、現代社会を生きる私たちの心にファンタジー以上のリアルな感性が芽生えるはず。
生命力と情熱に満ちたこの作品、序盤から目が離せません。
時に…タイトルに込められた遊び心にも注目ですよ!
王道ハイファンタジー系の作品です。
ヒロインや周囲の大人達に支えられて、少年の
戦いを通じた成長や、主人公自身に関する謎への探究が描かれていきます。
正統派の冒険小説ですが、文章のテンポがとても良く、表現や描写もくどすぎないバランスでしっかりと描かれており、とても読みやすいです。空白行無しでこの読みやすさを実現するのは、書き手としてはとても技量が必要ですので、作者様の文章力の高さが窺えます。
キャラクター描写もお見事でした。
ガラの悪い粗暴な勇者かと思いきや、重い過去を持ち、きちんとした観察眼と信念を持った人物だったりと、読み進めるにつれ魅力が引き出されていきます。
個人的には、主人公とヒロインの距離感がお見事でした。幼馴染み特有の距離感の近さがあり、それでいて不自然なベタベタ具合は感じませんでした。
正統派の文芸ファンにもお勧めですし、ライトノベルを主軸にしている方でも、楽しく読める作品だと思います。