第65話 最終話








 世界大会から数年後―――



 これでもかというほどの歓声が響く中。

 ライトアップされた廃墟の中では、爆発音や銃撃音と共に無骨な装甲をまとった少女達が駆けまわる。

 時には集団で戦い、時には単独で相手陣地へと切り込む。


 ―――残り時間 1分


 そのアナウンスが流れた瞬間、少女達はお互いに声を掛け合う。


 後1分だ!

 このまま耐えきれ!

 相手を近寄らせるな!


 いけ!

 切り込め!

 このまま押し込め!


 大歓声の中、必死に戦う少女達。

 盛り上がる戦いの最中、急にアナウンスが鳴り響いた。


 ―――ヘッドショットキル!


 会場に流れる特殊キルアナウンス。

 ヘッドショットによる撃破ログ。


 ヘッドショットキル。

 頭部への攻撃をそう呼び主に頭部をライフルなどで撃ち抜き一撃で相手を仕留めることを指す言葉だ。

 会場の巨大モニターの横に表示されたログに、その事実とそれを成した者の名が表示されていた。


 ◆ヘッドショットキル

 x MTB:フレア・リードルト【L】

 〇 KKC:アリス・キリシマ


 ×はやられた者で、〇は倒した者。

 名前の後ろにある【L】は、リーダーを表す。



 ―――ヘッドショットキル!



 またも特殊キルアナウンスが鳴り響く。

 その度に試合展開が一方的になっていく。



 ―――残り時間 30秒



 会場に残り30秒のアナウンスが響いた瞬間だった。


「アリスが道を切り開いたッ!あとは突っ込めぇぇぇッ!!」


 その言葉と共に全力で突っ込む少女達。

 あまりにも一方的な突撃に相手側は、ただ蹂躙されていくのみ。



 ―――試合終了



 大音量で鳴り響く音と共に試合終了のアナウンスが流れる。

 強引に押し込んでの司令塔攻撃によって勝負はあっけなく終了することになった。

 大歓声が響き渡る中、放送ブースに居た男もテンション高く叫んでいた。


「やったっ!やったっ!!クライマックスシリーズを制したのはKKC!!!これでKKCは3連覇ッ!!!アリス・キリシマがKKCに来てからの3連覇だッ!!!ありがとうアリスッ!!!」




 …………………

 ……………

 ………




 むかし。

 意味の無い転生に苦しんだ少女が居た。

 少女は苦しみながらも前を向いて歩き続ける。

 やがて少女は様々な人達と出会い、そして向き合うことの意味を知る。


 いつしか全てを受け入れられる日を信じて、少女は今日も苦しみと向き合いながら生きる。

 心からこの世界を―――笑顔で生きるということを愉しめる日まで。






 ―最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる 完―



**お知らせ**

何と、本作品がコミカライズ決定しました!

興味のある方、漫画版が見たい方は、近況ノートに詳細を記載してあります。



*近況ノートにあとがきのようなものを掲載しております。

 よろしければそちらもどうぞ。





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最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる のこのこ大王 @nokonokodaiou

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