第4話 「これで私の運を使い果たした?」

衝撃の告白でフリーズする事、数分。

いつまでも固まってる訳にはいかず、おずおずと楓さんを見る。

いつもいたずらっ子のような笑い方のくせに、今は優しげに目を細めるその仕草が何故か憎らしい…。だって周りの視線がブスブスと突き刺さるんだもの。

嬉しい気持ちと、待て早まるのは命取りだという気持ちがいっぺんに出てくる。

うん、まずは慎重に確認するべきだよね。


「あのさ、一応聞くけどアルコール取りすぎてるってことは…」

「ないな」

「真面目に返事した後にドッキリでしたーって言うのも」

「「ないない!」」

「人違いって言うことは」

「それこそ無いわ(笑)」


とりあえず、思いつくことは言ってみたが本人や周りの人に盛大に無いと断言された。

どうやら、これはマジらしい。

そしてようやく思考が切り替わる。

私は楓さんが好きだ、そこに変わりはない。

じゃ、結婚の前に交際することになるだろうけどそれはどうだろう。

彼は夜に働く職種の人だ。自分がここに通っているんだからどういう仕事なのかは把握してる。

たくさんの女性と関わるのは、これからも仕事だからあるだろう。おしゃべりするのが仕事なのだから当たり前だ。

彼が他の人とは何も無いと言えば信じたいと思う。じゃ、周りの女の人のことを考えるとそう簡単には行かないだろう。

こういったお店で働いてるだけあってバーテンの人達は皆顔が良い。もちろん、私みたいに好意を寄せる女性は今後も現れるだろう。

うんうんと考えを巡らせていたけど、結局私が好きなのには変わらない。


「えっと、よろしくお願いします?」

「俺こそ、よろしく」


これからのことを考えても仕方ない、もしもの時はその時考えよう。

そう自分で納得して彼の手を取ったのだ。


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あれから7年たった今、心配してた浮気などの問題は一切なく、私は楓さんと共に楽しく過ごしています。



[完]

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えっ?この状況、キミ私の事好きだろ? イヴ @takanashi916

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