概要
〈淡き指をなぞり連ねて 、永遠に紡ぐ古きを思え〉
結晶採掘に沸く北方オロキュロイの工業都市に、アゥケニカという一人のお針子がいた。縫衣術という特殊な縫製技術と、それを可能にする繊細な感覚を持つアゥケニカは、貧しい家と母を扶けるため、心を殺しながら縫製工場の縫衣術部門で日々仕事に励んでいた。
そんなある日、アゥケニカは工場を訪れた一人の麗しい女性から引き抜きを受ける。困惑するアゥケニカへ、フェリヤと呼ばれた女性は告げる。
「とても個人的な願いがあるの。あなたには、それに協力してもらう──」
これは衣を縫い作る女たちの話。
そして、帰郷を願う巫女たちの、祈りを継ぎ接ぐ話でもある。
※ファッションSFウェブジン『matotte.』7月号に応募し損ねたもの。
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?