第5話 心配と不穏

 そんな悶々とした中、俺は午前の授業を終え昼休みとなり学食へ向かう…

 凪沙にメッセージを飛ばしたが…

『ごめん~ちょっとお昼は一緒に食べれない』との事で…

(もしかして百田って奴と会ってるのだろうか?)

 と気になるものの、1人寂しく学生食堂へ足を向ける。


 学食で日替わりランチを食べてB組に帰る途中…

 廊下の先に朝、見知ったヤツが歩いているのを見る。

(あれって百田か…1人か…凪沙とは一緒ではないのか?)

 もし仲良く一緒に歩いていたらショックで気絶しそう…


「暁人~どうしたの?」

「うわ?!え~凪沙か…びっくりした。」

 後ろに凪沙が立っていた。

「あ~ごめん、びっくりした?」

 驚かしたのを申し訳ないという表情で謝ってくる。


「いや…大丈夫だよ~ん?凪沙は昼飯食べたか?」

「今から軽く食べてくるよ。」

「一緒に付いていくか?俺…」

「え…来る?」

「おう~行こう」

 俺は凪沙と連れ立って食堂に戻る。



 既に昼休みも時間が半分もない為か人の数がピークに比べると少ない。その為、直ぐに食券買って注文する凪沙。

 蕎麦のハーフサイズを頼んでズルズルと啜る凪沙…俺は水をコップに注ぎ持って行ってやる。対面に座って食べ終わるのを待つ…

「ありがとう」


 暫し待っていると食べ終わった凪沙がコップの水を飲んで落ち着いたところで話しかけた。

「…何か昼休みあったのか?」

「え…まあ、そのね…あの…」

 顔を背けて言いづらそうに佇む凪沙…

「言いづらい事なら別にいいぞ~言わなくて…」

「…告白…されてた…」

 少し困った顔をしながら呟く…

(やっぱりか)

「そ、そうか…ご苦労様」

「うん」

「…」


 1番気になるのは返事…果たして?

「返事はど…」

「断った」

 キッパリと言う凪沙…その顔はどこか誇らしげに語る。

「…そ、そうか」

 俺の方がおどおどしてしまう。

「私には暁人がいるし…」

 凪沙は顔を赤らめながら俺の目を見てニッコリと笑顔ではっきりと言う。


 俺は…

「ありがとな」

 凪沙に感謝を伝える…

「うん」

 暫し2人だけの時間が流れる


「今日も一緒に帰るか…」

「うん…あ、ごめん日直だからすぐ帰れなかった」

「いいよ~待つよ」

「本当!分かった終わったら連絡するね」

「ああ」

 昼休みも終わりそうなのでそのまま凪沙をD組に送ってB組に戻った。




「なあ…真樹、ちょっといいか?」

 席に戻る前に話をしようと真樹に聞く。

「ん?何だ?暁人」

「相坂ってD組だと、どんな感じだ?」

「どんなって?」

「目立ってるとか色々あるだろう?」

「ああ…そうだな…前はさ学年内1番人気で佐藤理佐っていたじゃん〜相坂さんも去年はCだったけど佐藤は2年もそのままC組で相坂さんだけD組に変わったんだけど…今のD組では相坂さんがクラス内で1番人気らしい事は聞いた…」

「なるほど」

「なんかあったか?」

「さっき凪沙が告白されたって」

「なるほど…彼氏としては心配だな」

「あと百田ってヤツなんだけど…」


 露骨に嫌な顔をする真樹

「あ〜まさかそいつが相坂さんのか…」

「何かヤバいヤツか?」

「評判は悪いな〜俺の知り合いも迷惑かかってるからな…」

「そんなに?」

「結構モテるだよな…顔良いからさ〜だけど女癖悪いし以前は佐藤に告ってフラれた話は聞いてるし停学も2回やってる」

「停学2回って何やったんだよ!」

「暴力と賭け事だな…暴力は俺の友達もやられてなあ…賭け事はポーカーとかで負けた生徒が親に泣きついてバレたとか…本当素行悪過ぎだよな…にしても相坂さん…心配だな。」

「ありがとう…しかし真樹って情報屋でもやれば食っていけない?」

「俺は知らんヤツは全然知らんぞ、だから無理」

「はははは…サンキュー」

「おう〜」

 まあもう振ってるし大丈夫だよな…とりあえず放課後すぐに行って待ってるか…



 放課後になり真樹が帰り日直の連中が掃除を始める前に教室を出た。

 最初、食堂か図書館で時間潰そうかと思ったが気になってD組前の廊下に来てしまった。

(まあ様子だけ見て決めよう)

 引き戸の窓から覗くと…


(ん?凪沙が…1人?)

 念の為、空いてる引き戸や反対の引き戸にも行って見たが、やはり1人だった。

(なんか気になるな)


 俺は意を決して凪沙に声をかける。


「凪沙…」

 それに気づいた凪沙

「あれ?暁人…どうしたの?」

「いやこっちこそ何で日直の当番が、1人なんだ?」

 普通、2か3人で掃除するもんだが…凪沙1人なのがおかしい。

「2人とも用事で帰っちゃって…私1人なんだ」

 え?それはひどいな…なら

「俺も手伝うよ」

「え?そんないいよ」

「待ってるだけなら手伝った方が早く終わるしさ」

「暁人」

 俺は教室に入ると

「さっさと終わらせようぜ」

 俺は鞄を教室の隅に置いて手伝う事にした。

 凪沙はそんな俺のお節介を嬉しそうに

「ありがとう」と微笑んだ。



 その後、無言で掃除に従事するが…

 終わり頃になる頃。


 誰かが入ってくる気配がして振り向くとその人物は俺を見るなり


「何で手前がここにいる?」


 1番厄介で最も会いたくない男が俺たちの前に立っていた。







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途中まで書いたヤツを書き直してたらまた気に入らず遅くなりました

すいませんが不定期に上げますので…

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幼馴染が催眠状態で目の前にいるんだがどうすれば良い? 奇行師(kikoumaster) @kikoumaster99

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