柳 来夏はかなり猫舌

「それじゃあいただきまーす!」


「いただきます。」


真泥三さんとアタシ特製キムチ鍋をつついてく。

でも、アタシの対面からは箸が伸びてこない。


「……………」


「柳ちゃんも食べなよ?自分で言うのも何だけど、食べたら病みつきだよ!あ、もしかしてキムチ鍋苦手だった?」


「………いや、そうじゃなくて!なんであたしが、若草きらり、あんたの家で鍋囲んでんだよ!!」


「あ、辛い。」


「真泥三よどみも、何も疑問に思わず食ってんじゃねぇ!!」


柳ちゃんがビシッとよどみさんを指差すけど、よどみさんはどこ吹く風と、柳ちゃんの方に顔を向けることすらせずに鍋を食べ続ける。


「もぉー、何カリカリしてるの?」


「何でって、そりゃっ!」


「アタシが柳ちゃんに勝ったから、『クラッシュ』は私たち『フレッシュナイト』の仲間になった。だから親睦会ってことで鍋を一緒にさ。ほら、食べなよ。リーダーの言うことが聞けないの?」


おちゃらけてそう言うと、頭を掻き、箸を手に取る。


「あーもう!分かったよ!食えば、いいんだろ、きらり!」


「柳ちゃん!!今、名前で呼んだよね!ね!」


「うるせぇ!あとちゃん付け止めろって言ってるだろ!熱っ!?」


柳ちゃんに下の名前で呼ばれてぴょんぴょん飛び跳ねて嬉しがっていると、それを鬱陶しそうに手で払い、鍋を箸でつつくけど熱かったらしくて一気に水を飲む。


「もー、気を付けなよ。」


「分かってるよ!ふー、ふー、ふー、ふー、ふー、ふー、ふー」


いや息で冷まし過ぎじゃない?

もしかして柳ちゃんって重度の猫舌なのかな。

コワモテな感じに似合わず、可愛い。


「おい、何ニヤニヤ見てんだよ!あ!お前、もしかして猫舌で可愛いとか思ってたろ!!」


あ、ヤバっ!バレちった。


「あたしのこと可愛いがってんじゃねえぇ!!」


「怒んないでよー!てか、よどみさんも黙々と食べてないで止めてよ!!」


なんやかんや、これにて私たち『フレッシュナイト』は柳ちゃん率いる『クラッシュ』と仲間になり、ナワバリ争いは幕引きとなった。

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若草きらりはキラキラしたいし、真泥三よどみは寝ていたい 朝定食 @33333cycle

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