若草きらりはキラキラ拳が輝く


ーーーーー〈柳side〉ーーーーー


なんなんだよ、こいつ!!


さっき思いっきり叫んでから、明らかに今までとは比べものにならないくらい動きも機敏になってやがる。


「キラリンキック!!」


それに攻撃も、明らかに重くなってやがる。

さっきまで手で止めれた蹴りが、大鉈で受け止めるので精一杯だ。



マジでなんなんだよ。叫んだら強くでもなんのか?

いや、そんな訳ない。もしそうなら、わざわざここまで叫ばなかった意味が分かんねぇ。


叫んだ内容も意味わかんないし………なんであんな自己紹介みたいなの今更……!!


そうか……若草の能力って。

そう考えると、あたしを人通りの多い目抜き通りに誘い出したのも合点がいった。


はぁ………おいおい、アリかよ。そんな能力。

これじゃあいつが主人公で、あたしが敵キャラみたいじゃねぇかよ。


ーーーーー〈若草side〉ーーーーー


秘策により、形勢は逆転してアタシが柳ちゃんを押す形になった。


「やっと分かったよ、あんたの能力。あんた……自分の知名度が上がれば上がるほど、それに比例してパワーアップするんだろ。」


正解だ。私の能力はまさに柳ちゃんの言った通りのもの。


キラキラするのが目標のアタシにはピッタリの能力だ。


「まったくマンガかアニメの主人公かよ、お前………でもなぁ、『クラッシュ』のメンバーたちのためにもあたしは負けらんねぇんだよ!!若草きらり!!」


そう叫び、衝撃波を何発も放ちながら、柳ちゃんが私に素早く近づき大鉈を振るう。


これまでより速いし、攻撃の数も多い。

でも、さっきのアタシと今のアタシは違う!


今はもう、全部見える!!



縦横無尽に飛んでくる衝撃波を跳ねて、屈んで回避し、思い切り上から振るってきた大鉈にアタシも全力で拳を叩き付ける。


「なっ!?」


アタシの拳が大鉈をへし折った。

驚く柳ちゃん。


「もう終わりだよ。」


「まだだ!!あたしは負けらんねぇ!!!」


柳ちゃんは私目掛けて直線に衝撃波を連発する。

すごい気迫だ。ホントに負けたくないんだろう。


でも、アタシだってキラキラのためには負けらんない!!!


「ウルトラキラリンパーンチ!!!」


アタシの全力を込めたキラキラ輝く拳のパンチは、何重もの衝撃波を打ち破って柳ちゃんへクリーンヒットした。


「くそ……あたしは負け…られ」


言葉を言い尽くす前に柳ちゃんは地面にバタリと倒れた。


「アタシの勝ちだよ。正真正銘ね。」

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