おお、ハーレムよ!その先は幸福?それとも快楽?
黄昏(たそがれ)
その先は幸福?それとも快楽?
異性にちやほやにされ、侍らせる。
それはなんとも甘美な夢だろうか!
だがその先に待っているのは、
長く続く幸せか、それとも一時の快楽か?
結論から申し上げますと、
体の関係持つ相手が最大一人までなのが、
幸せな関係を築けるかどうかの基本条件である。
それが例え、二人目かそれ以上の相手との関係は不可抗力、
強迫であろうと同じだと思われます。
男女問わず、愛する人以外と体の関係持つと、罪悪感が生まれる。
大好きな彼氏(彼女)、最愛の夫(妻)、それら愛してくれる人に対して、
当たり前のように罪悪感が生まれる。
もし罪悪感がない場合、大まか分けて二つ:
一つは、そもそも相手の事愛していなかった。
もう一つは、罪悪感の感じない人間。
だがこれはもう既に普通の人間の精神性じゃないのでそもそも論外。
例を挙げてみましょう。
*
ヤス男とハナ子は幼馴染である。
ヤス男の長年の追求に阻まれず、ついに付き合い始めた。
お互い初めての恋人であり、幼い頃から気心が知れた相手である。
そんな二人は大好きな相手と一緒に過ごせて、これが幸せだと感じる毎日であった。
そんなある日、ヤス男は後輩であるカナ子に告白された。
カナ子は、容姿端麗で胸も大きい、低めの身長は庇護欲を掻き立てる、
一言で言うと、美少女だ。
その上に、言葉遣いは上品で人当たりも優しい、料理上手で家事万能、
並みの男にはもったいないそんな彼女から告白された。
既に彼女がいるヤス男の愛人であっても構わないという健気さに、
ヤス男はついに彼女に心動かされ、カナ子を受け入れてしまった。
*
よくあるやつだろ?
漫画や小説、アニメによく見る設定だ。
さてこの先に、幸福というものはあるのだろうか、仮説も立てて行きましょう。
①ハナ子(幼馴染)との関係を続く、カナ子(後輩)と別れる。
ヤス男はハナ子とこれまでの関係を無下にできず、
仕方なく愛らしいカナ子との関係を断つ。
だが既にカナ子との関係と、浮気の事実は消えない。
ハナ子はこれからもしヤス男と付き合い続くのなら、
短い時間とは言え自分との関係を蔑ろにした男と過ごせないといけない。
これからヤス男がまた素敵な女性と出会った時、
また同じことを繰り返さないとは限らない、
次はまた自分が選ばれるとは限らない、そんな思いを抱いてヤス男と過ごしていく。
一度とは言え、裏切られた心の傷は、一生癒えないだろう、
なぜならその傷を負わせた相手と、これからもずっと一緒にいるなのだから。
カナ子は自分自身を蔑んでまで愛人になりたかったのに、それも叶えず、
自分の初めてを弄んだ男を恨むべきか、それとも愚かな自分を恨むべきか、
本人にも分からないのだろう。
ヤス男は断腸の思いで、可愛いカナ子との関係を断った。
こんなモテ期は一生二度とと来ないだろうに!それでもハナ子を選ぶ聖人っぶりよ!
だがもう既にカナ子との体の関係は持っていた、ハナ子を一度裏切ったのである。
裏切ったハナ子にも、
初めてを奪った挙句捨てたカナ子にも罪悪感に狭まれて生きていくしかない。
罪悪感は特にない?それはつまり最初からハナ子にもカナ子にも愛してなかった、
ヤりたいだけのことを意味する。幸福ではなく、快楽が目的であること。
②ハナ子(幼馴染)との別れる、カナ子(後輩)と付き合う。
もはや理想の女性であるカナ子を、どうしても手放せなかった。
その結果、これまで愛し合ってたハナ子と別れるしかなかった。
ハナ子は小さい頃からヤス男と一緒に育てられ、
お互いの事を知り尽くしたであろうと、思ったのだが、
結局急に出て来た他の女に掠め取られた。
これまで何年をも彼に追い求められ、断り切れずに付き合ってあげた挙句、
あっさりと捨てられてしまった。まるで道化を演じたのような惨めな思いを抱いて、
自信も無くし、他人を信じる事も難しくなり、
これからどう生きていけば良いのだろうか。
カナ子は、はじめは愛人でもいい、あの人の傍にいればと思ったものの、
まさか彼女になれると思わなかった。
ついに大好きなヤス男と結ばれることが出来た、
まさに人生の絶頂である。
そんな彼女は、
真実の愛()に目覚めたヤス男と一緒にどこまでもついて行くのだろう。
いずれ自分よりも更に愛らしい、更に美しい、
更に若い女性が何時自分がやったように彼を奪っていくのを、
考えもしなかったのだろう。
ヤス男は、これまで愛したと思ってたハナ子よりも、
誰からにでも羨まれるほどの美少女であるカナ子の事の方が好きだと気付いた。
何年をも付き合ってたハナ子より、
カナ子の方がずっと素敵で、
愛らしい女性であった、
そんな彼女と付き合えるのは、これほど幸せなことはないだろう。
だが同時にハナ子を傷つき、友人の信頼、ハナ子の親の信用、
それらすべてを蔑ろにし、投げ捨てた。
人間関係の信用を失ったヤス男は、
人の数倍の努力したところで、幸せな家庭を築けるかどうか、
誰にも分からない。
③両方とも付き合う、ハーレム
ハナ子にとって、これまで自分と愛し合ってた男からの二股を掛ける宣言は、
まさに驚天動地だった。
今すぐこの男を殴って断りたい、でもそうしたらヤス男はあの女と一緒に付き合い、
自分は捨てられる結果にたどり着くであろう、
そうしてら何年をもこの男に追い求められた挙句あっさりと捨てられる自分は、
あんまりにも惨めで、とても耐えられない。
仕方なく自分の愛した人を他の人に分けるしかなかった。
それでも自分に構えられる時間は削られ、独占できる時間も限られる。
さらにヤス男が別の女を抱くたびに、
自分の男が取られたその悔しさと惨めな感情を味わわなければならない。
ヤス男とこれからも付き合う限りは、ずっとそれの繰り返しだ。
カナ子にとって、ただの愛人枠で満足していたのに、
まさかハナ子と同様にヤス男の愛を享受できるだなんて、
大変幸せであろう。ハナ子への罪悪感はあるものの、
大好きな男と一緒にいられるだけで、
それはもう幸せで、それ所じゃなかった。
例えハナ子に恨まれようと、家族に反対されようと、
家事全般一人にやらされようと、これからまた新しい女が増えるであろうと、
カナ子は聞き分けのいい、都合のいい、健気な女でなければならない。
全てを手に入れると決めたヤス男は、複数の女に愛され、まさに男の夢を実現した。
だがそれは、愛していたハナ子への裏切りを礎に築き上げた脆い砂の城、
誰かを抱くたび、愛してた他の女へ裏切る。
ハナ子を抱くとカナ子の愛を裏切る、カナ子を抱くとハナ子の愛を裏切る。
罪悪感を感じるのは、それは愛ゆえ、例え了承を得たとしても、
相手の愛を裏切った事実は変わらない。
体を重ねるたび、ヤればヤるほど、他の女への罪悪感が積もる、
それに心痛めつけられる。
だが自分の精神を守るために、応否なくその罪悪感も徐々に薄まれるだろう、
ついに罪悪感がなくなったその時、果たしてそこに愛は残るのだろうか。
また、その時はまだ、他より二倍以上も多い家族を養える気力は、
残っているであろうか。
男女問わず、愛し合ってた相手がもし他の人とも関係を持っていると知れば、
怒り、嫉妬、惨めな感情が湧くのは、当たり前であろう。
それらが持っていないのは、もはや普通の人間の精神ではない。
ここに挙げた例は大まかに三つを分けたけど、隠れて付き合ったり、
両方とも付き合いを断ったりで、
現実を考えるともっと色々可能性があるだろう。
だがここは敢えて、ハーレムの未来について考えることに焦点を当てたい。
複数の異性と付き合う、
それはもう既に相手以外の付き合いを一切捨ててるとしか言いようがない。
実の利益がない限り誰にもそんな浮気野郎、浮気ビッチと近づこうとはしないだろ。
友達も、親も、反対の果てに呆れて、もうどうにでもなれと、期待もないだろう。
その相手と、その相手の両親を養えるか?更にその先、もし子供が出来たら?
何人をも養えるほど稼いでるのか?
その子は生まれから他と比べて特殊な環境で育たれ、
社会に馴染めるかどうか分からない。
家の中でも、自分の親ではない他の同居人に愛されるとは限らない。
なにせその子供は、自分の男(女)を奪った女(男)との愛の結晶だからね。
頭ん中お花畑のような物語でもない限り、
子供は親でもない他の同居人に愛されるとは限らない。
例えハーレムを築き上げたその本人が幸せだとしよう、そのツケは、だれが払う?
そう、子供だよ。
ええ、そうよ、子供は不幸だとは限らないでしょう。
だがそれは、物語のような聞き分けの良い、天使のような可愛い子の場合だろう。
もしその子は、普通の人間だった場合は?普通に思考し、普通に他人に嫉妬し、
普通に自分が惨めだと思い、普通にこんな環境を作った親を恨む、
そんな、普通の子だった場合は?
じゃあやっぱり子供は作らないで、自分たちだけのハーレムで過ごそう。と思うか?
ならもし、そのハーレムの中に、誰か一人でも子供を持つのが夢で、
それが幸せだと思う人がいるのなら?
自分や他の人たちの楽にできる環境を維持したいので、
その人の思いを、幸せの指針を蔑ろにして、
子供が幸せになれる環境作れないからその願いはやめて欲しいと?
それは、人の人生を背負っておいで結局飼い殺しにしたではないだろうか。
じゃあどうすればいいんだよって?
うん、だから最初から言っていたではないか、
その先に待っているのは、
長く続く幸せか、それとも一時の快楽か?
例えハーレムを築き上げた本人が、それが幸せだと思っても、
結局のところそれは、一瞬の快楽でしかなく、長く続くことはないのだよ。
以上、私一個人の愚考でした。
おお、ハーレムよ!その先は幸福?それとも快楽? 黄昏(たそがれ) @dusk1942
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