裏では不仲?
るいさんが深刻そうに口を開き始めた。
「そっか。みうさんも知っておいたほうがいいよね。3期生の二人はかなり人見知りだったみたいでね。それを知らずにまきさんが今さっきみたいに胸を触りだしてね、まきさんなりのスキンシップだったんだけど、逆効果っていうのかな。そんな感じで二人はまきさんとゆかりさんを無視するし、仲良くする気がないみたいでね。」
「そんなことがあったなんて…でも、3期生のお二人とも人見知りするように見えないだけど…」
「みうちゃん?VTuverには2種類いるって知ってるかい?中の人が存在する人と存在しない人さ」
「まきさん、中の人って声優とかの話でVTuverに関係あるんですか?」
「あぁ。君もVTuverになって3か月だったよね。色々なVTuverと関われば分かるようになるさ。そろそろ来る頃だと思うから話せば分かるさ。あの子達の素顔がね。」
「にしてもさぁ、私には分かんないんだよね。配信してるときは遠慮なく触っても怒らないのに、配信外だと話すら聞いてくれないんだもん。」
「それはゆかりさんが変態レズキャラで売ってるから。仕方なくだそうよ。」
4人で会話をしてると事務所のドアが開いた。無言で一人が入ってきたのだ。彼女はすぐに二階に上がろうとしたが、るいさんが話しかけた。
「あみさん。新しく加入した人に自己紹介してください。」
すると彼女は振り向いた。すると私のところにやってきて一枚の紙を渡してきた。
「あの…これを…」
それだけ言うと彼女はすぐに二階に上がってきた。帽子を深く被ったまま目も合わせてくれなかったのだ。
「みうさん、紙には何て書いてあるの?」
るいさんに聞かれて私は紙を皆に見せた。
『初めまして。3期生のまりと言います。双子で人懐っこい妹キャラでやってます。配信では気軽にるりちゃんって呼んでね。妹がすぐに来るけど妹も同じだからね。配信外では必要以上に喋りかけないで下さい。双子の妹も来たらあなた一人で僕たちの控え室に来てね。待ってるからね。みゆねぇ』
「これがVの中の人なんだよ。配信とはまるで別人だろ?」
「言いたかったことが分かった。」
するともう一人が事務所のドアを開ける。あみと同じように帽子を深く被っていた。そしてすぐに二階へと上がっていった。
「本当に配信での二人とは別人だ。配信前にあの二人はお酒でも飲んでるの?」
「飲んでないと思うけど…それよりもみうさん?手紙にかいてあったでしょ。3期生の先輩達にちゃんと自己紹介してきて。」
私は3期生の控え室に向かった。
アル中VTuberが事務所に入る。 せいや @roiyasei319
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