白は白でも、どんな「白」?

全部、白い。全て、白い心だ。
しかし、おそらく…白妙ではない。混じり気のある白である。青みがかっていたり、濁っていたり。

純粋な善意のもとで発せられる「かわいそう」という言葉。しかし、その言葉は、絶えず真白の心を苦しめる。「私は普通じゃないんだ」「どうして病気になってしまったんだろうか」と。

今まで、彼女にとって白とは「かわいそう」を象徴する色だったに違いない。しかし、写真家さんとの出会いによって、真白の日々が少しずつ彩りあるものへと変わっていく。
写真家さんは、真白の──まるで白妙のような──輝かんばかりの美しさに、最初から気が付いていたのである。

『白妙の想い』という題名。
しかし、おそらく…「白妙」ではない。今、真白の心には“友情”と“恋”と“自信”が、色鮮やかに照らしているはずだから。