第21話 END
『文字通り、塵芥になったな。』
「うん。」
「元々、塵芥のような存在でしたが。」
「うん。」
『で、これからどうする?』
「特に何も。ただ、ヒトがいない場所で静かに暮らしたい。」
『なら、良い場所があるぜ。美味い果物や木の実も沢山あるんだぜ。』
「ユニ殿、苦諦様は四聖になり、食は必要無くなったのですよ。」
「覚醒して食べ物が必要なくなったけど、食べることはできる。」
『ははッ!そうこうなくっちゃなッ!今まで我慢した分、少しは楽しまねぇとなッ!俺の大好物の桃がウメェんだよ。』
「ふぅ。貴方も四聖獣になったのですから、もっと自覚をもってください。」
『羅漢、おめぇは堅いんだよ。辛い、苦しいを耐えるだけが人生じゃねぇんだよ。確かに、人生は糞みてぇに苦しいが、たまには嬉しいこともあって良いんだ。ある意味、苦しみは、たまにある嬉しいことを引き立たせるためのエッセンスなのかもな。なんつってな。』
「はぁ。なったばかりとはいえ、苦諦様の四聖獣ともあろう方が…。」
「フフ。ユニの考えも面白い。美味しいものを食べ物を食べて嬉しいと感じる者もいれば、沢山眠って嬉しいと感じる者もいる。ちなみに、私も美味しいものを食べて嬉しいタイプ。」
『うぉぉぉぉぉぉッ!笑った、笑ったぜぇぇぇぇぇぇぇぇッ!み、見たよなッ!羅漢ッ!』
「ええッ!見ましたッ!見ましたともッ!この羅漢。感動で胸がいっぱいですッ!私にも叫ばせてくださいッ!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
…ボソ
「私が笑ったくらいで大袈裟…。
―でも、ありがとう。
―”人生は糞みてぇに苦しいが、たまには嬉しいこともあって良いんだ”、か…。」
END
苦痛耐性を極めると心は傷つきませんか? @test555
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