第20話 選択の結果

…あれは、オーパーツとも言うべき、“この世界”の覚醒者に対する特効魔導兵器。…


「私には効かない。“この世界”の理から外れているから。」


左手を前方に差し出す。


@*#魔法

―因果応報・明鏡―


漢字で描かれた魔法陣が一瞬で展開される。


目の前に装飾の施された鏡が生み出された。


キィン―


巨大な砲弾は、鏡に触れた瞬間、進行方向を180度転換した。


―「「なにぃぃぃぃッ!ありとあらゆる魔法やスキルを無視する絶対不可避な攻撃のはずがぁぁぁぁぁぁぁッ…


ドゴォォォォォォン―


跳ね返された砲弾は魔導兵器を巻き込み大爆発を起こした。


ブワァァァァァァ―


直撃した魔導兵器は粉々に破壊され、近くにいた多くの兵士達の胴体が吹き飛ばされた。


「これは、お前達が選択した未来。」


左手を天に掲げる。


@*#魔法

―天隕石・數多―


上空を埋め尽くすほどの巨大な魔法陣が展開される。


「「「な、なんだッ…?」」」

「「「超巨大魔法陣ッ…?」」」

「「「あれば魔法文字ッ…?」」」

………

……


無数の流れ星が上空に煌めき始める。


「「「流れ星ッ…?」」」

「「「多くないか…?」」」

「「「いったい何が…?」」」

………

……


無数の流れ星が地上に近づけば近づくほど大きく目に写る。


「「「い、嫌だぁぁぁッ!」」」

「「「うわぁぁぁぁッ!」」」

「「「に、逃げろぉぉぉぉ!」」」

………

……


ガァァァァァァァァンッ―

ガァァァァァァァァンッ―

ドガァァァァァァァァァァァァンッ―

ガァァァァンッ―

ガァァァァンッ―

ガァァァァァァン―

……


視界を埋め尽くすほどの無数の隕石が、マクスウェル領全体に降り注ぎ、爆風を巻き起こしながら地上にクレーターを生み出していく。


ガァァァァァァァァンッ―

ガァァァァァァァァンッ―

ドガァァァァァァァァァァァァンッ―

ガァァァァンッ―

ガァァァァンッ―

ガァァァァァァン―

……


「来たか…。嘘つき。」


ピキッ―


氷魔法

―コキュートス―


周辺の温度が急激に冷却され、動植物が氷の彫刻化していく。


「シーラお嬢様。これが貴女の出した答えですか?」


魔装

―ゲフリーレン―


美しい装飾の施された氷の剣と鎧を装備したクリスが現れた。


「苦諦様を穢れた名で呼ぶな。虫けら。」


羅漢が三又槍で刺突を放つ。


ガギンッ―


羅漢の三又槍による刺突をクリスの氷の剣が受け止める。


「チィッ!」


クリスはバックステップで距離をとる。


「邪魔をするなッ!私はシーラお嬢様と…


羅漢が追撃をかける。


「穢れた名で呼ぶなと言っているッ!」


パリンッ―


羅漢の金剛斧による横凪ぎの一閃がクリスの氷の剣を砕く。


「な、なにぃッ!私の魔装がぁッ!?」


羅漢は冷静に追撃をかける。


「善人を装い、苦諦様に数々の無礼。貴様が最も罪深い。悔い改めよ。」


羅漢の反対の手に装備した三又槍の刺突がクリスを襲う。


「わ、私の鎧の魔装は貫けんぞッ!」


グサッ―


三又槍がクリスの胸を鎧ごとを貫いた。


「ガハッ…?バカな…、私の魔装が…?」


ザシュッ―


羅漢は金剛斧でさらに追撃を加える。


「魔装は、魔法とは異なり精神位階だけでなく心の強さが大きく左右する。貴様のような無自覚の偽善者では、例え精神位階が高くとも子供騙しの玩具が関の山ということだ。」


羅漢がとどめの一撃を放つために両腕を交差させる。


如意法

―獅子龍交差―


ズバッ―


「あ、あ…」




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