第11話 通販サイトの捜査

 とりあえず、まずはそのサイトを見てみることにした。

 まずは、山北から聞かされた『魂コレクターズ』という名前を検索してみる。

「あ?」

 だが、その画面には『魂のラジオ』やら『魂の叫び』、『コレクターズ』だとか・・・・・全く関係なさそうなサイトばかり出てくる。

 ――それでも、タイトルを偽造するか何かしている可能性もある。

 山野辺温子は急に画面が切り替わったと言っているから、この検索画面から来たわけではない。実際の名前は見ていないのだ。

 一つ一つのサイトを開いてみていくが、山野辺が言っていたという証言とは全く違う。


 魂コレクターズは『タマシイ@o@Collectors』というロゴがアニメーションで表示され、出てきた画面は背景真っ黒。

 メニューには『魂コレクターズとは』『運営理念』『配達方法』『魂とは』の四つだけが並んでいる。

 そして、青く光ったリンクボタンには商品名など書いておらず、ただ【リンク】と書かれているだけなのだ。


 で、ここまで見てきたサイトだが、そんな特徴が全くない。

「ああ、ヤバい」

 様々な検索エンジンを使って徹底的に調べるが、それらしいサイトは見当たらなかった。

 とりあえず、捜査結果を報告するとともに、なぜこれを捜査するのかを聞いてみた。

「てかまず、そもそもこれは何の捜査なんですか。サイトを調べるって事例ないでしょ」

 ここで、捜査結果の報告と共に浮かんだ疑問を山北にぶつけた。

「いや、殺害された10人・・・・・いや、11人みんなが魂コレクターズを見ていたからだ」

「へ?」

「お、話してなかったか。実は、被害者のパソコンの履歴などを調べてみたときに、『魂コレクターズ』があったからだ。宅配便を調べてみても、裏付けられてる」

「そうなんですか?!」

 知らぬ間に、そんなに重大な捜査に関わっていた。嬉しいような悲しいような、心境は分からない。


 今日、署長に報告して、判断を仰いだ結果、捜査本部が設置されることになった。

 第一回捜査会議が始まった。

 なぜ第一回なのか。

 それは、初めてこの11人の死亡に魂コレクターズというサイトが関わっているということがわかり、11人全員をつなぎ合わせて捜査することになったからだ。

「起立」

 おどおどとしながら起立する。

 だって、そんな捜査に自分が加わっているのだから。

 重要な立ち位置でだ。

「第一回、捜査会議を始める。着席」

 ガタガタン

 一斉にイスが音を立てて、何か重苦しそうな雰囲気を演出している。

「まずは、捜査員の紹介から行こう。多木峨爾たきがに市警察署の中から適していると思われる人材を集めた。まずは、捜査本部長の紹介だ。捜査本部長を務めてもらうのは・・・・・岡里浜之おかざとはまゆき君だ。副部長は柿井基次かきいもとつぐ君、事件主任官は多賀剛紀たがごうき君だ」

 まだ、僕の名前が出てこない。重い責任が付いてくる立場ではダメだから、ホッとした。

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魂コレクターズ DITinoue(上楽竜文) @ditinoue555

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