じゃれてくる子犬みたいなアホ大学生と侮るなかれ

 悩み多き(でもアホ丸出しの)青年と、その彼の相手をする羽目になっちゃった占い師のお兄さんのお話。

 びっくりしました。気分は完全に主人公(視点保持者)と一緒、自分は一体いつからこの青年の術中に嵌っていた?
 アホ大学生を「可愛い可愛い」と思って読んでいたら、いつの間にか完全に彼のペースに巻き突れていた、この読書感覚がとっても楽しいボーイズラブです。

 魅力はなんといっても登場人物のキャラクター性。
 なんか「やたらじゃれてくるアホ犬」みたいな大学生の彼(東彦くん)が可愛い、というのは言った通りなのですけれど、視点を担う占い師のお兄さん(ヤマトさん)の方も素敵なのだからたまらない。
 この関西弁がね、とっても色っぽくて……しかもこれで長髪なんですよこの人……素敵……。

 3,000文字と短くサクッと読めちゃうのに、綺麗に始まってしっかり落ちてるところも大好きな作品でした。