僕と広井さんと、ときどき殺人ピエロ

作中の人物の行動を読者が選択することで、枝分かれするいくつもの物語を楽しむことができる……それがゲームブックだ。

しかし、指定されたページに進むためにいちいち本をパラパラめくるのが面倒だったり、ページをめくっている途中で他の選択肢の内容が目に入ったりするということも。だが、ゲームブックの欠点を解決することができる、そうカクヨムならね。

というわけでゲームブックの形式をカクヨム上に再現したこの作品。クリック一つでスムーズに次の選択肢に進めるし、間違ったページを開いてネタバレを踏むということもない、そして何より内容が面白い!

高校入学からスタートし、勉強に勤しむのか、それとも部活で汗を流すのかと様々な選択肢が読者を待っているのだが、待ち受ける運命はわりとストレートに青春っぽいものから、物凄い雑にデッドエンドを迎えてしまうものまで多種多彩。

これは即死亡間違いないだろという選択肢が思ったよりも良い話になったり、無難な選択肢を選んだはずなのに突然謎の宣伝が始まったりと予想外の展開も多く、読者を最後まで飽きさせない。そして何より重要な点だが、どのルートに進んでも同級生の広井さんがとても可愛い!

一つ一つの話は短いので軽い気持ちで読み進められるのだが、一度読んだら最後、全選択肢をコンプリートしたくなること必至な一作だ。


(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)