ラノベの知識・用語が浸透している世界ということで、文体自体はとても軽くて読みやすいのですが、根幹にしっかりとしたラブストーリーがあり、とても丁寧で綺麗な描写がされています。
ちょっとギャグ寄りな場面ではくすりと笑わせてくれますし、シリアスな場面では思わず涙ぐんでしまいます。
これまでの辛い経験と年を重ねたことにより心に鎧を着込んだミーシャと、それを理解して包み込んでくれる年下のシャルルは本当に推せるカップル!最初は仲が悪いところがまた美味しいです。
二人を取り囲む人々もとても魅力的で、一人一人に背景があるのが垣間見えるのもとても素晴らしいです。
特にカフェのマスターの存在感と渋さをぜひ堪能してください。
田舎育ちのミーシャ。どういうわけか十五歳のときに女神パラティンから神託を授かり、聖女に任命されます。栄えあるお仕事ですから、優しい王子や魔塔の主、クールな騎士団長や野獣系の暗殺者などと壮大な恋愛をして幸せになる……かと思いきやそんなことはなく。若いうちから酷使され、厚化粧に塗り固めた顔は三十歳目前で瀕死の様相を呈していました。これが物語の滑り出し。やはり世界は残酷で、ミーシャの着任期間の間にも様々な困難があったようです。ミーシャなりに必死に立ち向かってきましたが、万全の結果を得られたとは言い難く、厭味な大臣、責任転嫁がお上手な国民たちからは非難の的とされてしまいます。この逆境においてミーシャがどれほど健気に生き抜いてきたのか、それはこの作品の胸熱ポイントのひとつです。
さて、そんなミーシャに朗報(?)が……。
なんと、この世界に新たに最強美少女聖女が《転生》してきたのです。それによりミーシャはお役御免に。ここからミーシャの人生は急展開を見せるので、皆さま、固唾を飲んで見守りましょう。 タイトルが見事に回収されますよっ!
見所を敢えてもうひとつ挙げるとすれば、この作品がさりげなく、良質なメタフィクションであるということ。WEB小説の文法をこれでもかと援用しながら、巧みに裏切っていきます。テンプレートからのズレを楽しむことこそ、ジャンルを追いかける醍醐味でしょう。
オチに関わるのでこの場では語れませんが、女神パラティンの存在こそが、ミーシャのいる世界と私たちを繋げてくれる鍵です。神さまのちょっとした○○が、こんなに愛らしい物語に昇華するとは。私たちは女神の××を借りるのです。
運命の歯車がきりきりと回り、主人公は逞しく奮闘し、緊密なプロットが背骨を支え、最後の一撃が見事に決まる。そんな素敵な作品、見逃してはおけませんよね?
このレビューをする時点で6話、序章が終わったところでまだ未知数のところは多いですが現状では
文章は読みやすくまた感情い移入しやすい形に整えられていてサクッと読めると思います。
キャラクターは精神図太め芋娘系聖女が主人公となりそのサポートとして転生者の親友(既婚者)の力を借りて困難に立ち向かう形になるのかな?それとも…
聖女のいきおくれを国難呼ばわりするのはさすがに笑わさせて貰いましたw
また序盤なので他にも登場キャラはいたもののこの先どうなるかわかりません。
そう言う意味で期待大です。
ただタグにあった不穏な言葉の羅列を鑑みるにここからが本番なのでより鬱々した展開が待ち受けているかもしれません。
少なくとも現状では(昔の事はともかく)むしろコメディ寄りの不憫が多めの感じなので
一先ず序章の6話まで呼んで、次からのお話をおっかなびっくりに読む感じが一番いいじゃないでしょうか
自分はそうします