第42話 ???の会話

??? (会話のみ)




『お母さま、これまでの議事録の整理、終りました。要望通り、始まりから卒業までの間の議事録の中から、厳選したものをSPT上に、掲載しました』


「ありがとね、ナナ」


「いえ、このくらいは当然です。元々は議事録の管理が、私のお仕事ですから」


「あー、そう言えばそうね。でも今では、古詠のアシスタント、でしょ?」


『そうですね、バージョンアップして、議事録制作・整理以外の事も出来る様になりました』


「………」


『お母さま?』


「あっ…ごめん。アップして貰った議事録の話、チェックしてた。……こうやって見てみると、色々な事をやって来たんだね」


『そうですね。……あの、お母さま。二つ、聞いてもよろしいでしょうか』


「ん?なにかな?」


『なんで基本は、マスターの目線で書くように言われたのですか?議事録ですから、客観的な方が良かったのでは?』


「確かに、そうかもねぇ。でも……読み手は、誰かの目線からの話の方が、楽しめるでしょ?」


『……つまり、初めから掲載する事が目的だったんですね』


「そ。生徒会って、生徒の中から選挙で選ばれるでしょ?選ばれた後って、目に見えること以外何をしているのか、他の生徒たちは知らないし、分からない」


『なるほど。つまりお母さまは、生徒会の日常を、知って貰いたかったのですね』


「うん、だからこそ、普段から話題に事欠かなかった、古詠が主人公。誰も文句は言って無いし、問題もないね」


『本来なら、大ありでしょうけど……』


「まぁまぁ。で、もう一つは?」


『終盤のマスター、めちゃくちゃ過ぎません?正直何を言ってるのか分かりませんし』


「あぁ、それ?あなたは古詠から聞いたでしょ?」


『えぇ、「他者に頼らる事で存在意義を感じる。けど同時にそれは、相手に迷惑を掛けている事になる。他者に迷惑を掛けてまで、存在意義を求めたくないんだ」とか言ってました。

 けど、それもよく分からなくって』


「そうねぇ、きっと『自分の意思はない』って言いたかったんじゃないかな?」


『ご自身の意思がない?』


「ようは、自分で何も決める事が出来ないが、古詠の本質だってこと。

 まぁ、拗らせちゃって、色々分かりにくいけどね」


『かまってちゃん、ってことでしょうか?』


「それも正解かな。ま、私も似たようなもんだけど、古詠と違ってちゃんと自分やりたいことを持ってたからね」


『歌風美音は、あれでよかったんですかね?あの選択では』


「確かに強引に流れを作った節はあるけど……彼女は強く賢い子よ。最終的には、理解したうえで、大丈夫だと思ったから告白したのよ」


『……信じるしかない、と言う訳ですね』


「そうね。そこから先は、二人の物語なのよ」

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生徒会の会議 東條 九音 @kuon_tojyou

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