第4話 桜
中庭には全員集まっていた……
「あら、貴方達も来たの?この桜満開で美しいわよね」
友田さんが俺達に喋りかけてきた。
「そうですね……確かにこの桜はとても綺麗だと俺も思いますよ。あの昨日もここに来たんですか?」
「えぇ、あまりにも綺麗だから昨日も来たのよ、で今日も
来ようとしたら矢巾さんが死んだときいて……
ようやく部屋の外に出る気になれたわ…
貴方達も気をつけてね?犯人がこの中にいるかも知らないんでしょ?」
「…そうですね」
俺たちは友田さんと喋り終え、昨日水やりをしていた莉音さんの所に行った。
「莉音さーん」
「はい?なんでしょうか?瞬さん」
「昨日、桜の木に来た人って俺達以外誰かいますか?」
「うーん…‥そうですね、確か柳さんと友田さん巴さんですかねー?、確か?」
……と言うことはこの中に犯人が…
「なぁ、陽太お前はどう思う犯人?」
「……んー、三人とも怪しすぎてなんとも言えないな、凶器の水と思われる物は見つかったが、決定的な証拠もまだない。友田さんは昨日も来たのは自分から言ってるけど、怪しまれないようにわざと言っているだけかもしんないし…最中さんは毒花についても知っている為、犯行は可能…
それに、仮に巴さんの自作自演だとも言えなくもない」
そう、部屋の中にいたのは巴さんと矢巾だ……
例えば、矢巾さんと、何か話し込んでいた巴さんが毒の入った水を飲ます。
そう言うことも可能だ……
「やぁ、君達犯人がわかったかい?」
……柳さん…
「逆に警察の柳さんは、何か分かったのですか?」
「……いや、これといった事は分からないが、死亡推定時刻くらいしかわからなかったよ、君達は?」
俺達は今まであった事を話した。
……桜の花びらの事を除いて…
もし、仮に巴さんじゃなく柳さんだっとしたらと言う可能性があるからこればかりは言えない……
「やはり毒か…」
「柳さんも調べたのか?」
瞬、さっきから思ってたんだが歳上には一応敬語がいいんじゃ…
「ん?あぁ、僕も警官だし、目の前で起きた事件は調べるよ。」
「そうですか……その死亡推定時刻はだいたい何時ごろなんですか?」
「矢巾さんの死亡推定時刻は深夜〜朝ごろかな?
死後硬直はまだ始まったばかりみたいだしね。
でも何か変なんだよね?…」
「変ですか…」
「あぁ、実はあの後矢巾さんの部屋と自分の部屋を調べたんだ、そしたら“あの部屋”だけ“コップ”があったんだ」
確かに俺達の部屋にはベット、机、本棚はあったが“コップ”
はない…。
それは、どこの部屋も同じだと思っていたが……
矢巾さんは部屋に入った後どこかに寄ったのか?
そうじゃなければ…いったいどう言うことだ?
そう言えば矢巾さんの部屋で調べてないな。
「瞬、いっかい矢巾さんの部屋に行くぞ」
「オッケー」
部屋の状況はさっき来た時と見た感じ変わってない。
館の主人と矢巾さんには悪いが少しこの部屋をあさらせてもらう。
色々、あさってみたら、机の引き出しから何かが飛び出しているのに気づいた。
ん?こんなものあったか?
引き出しを開けて見ると乱雑に物が入っていた。
見てみると平成13年発行の町新聞だ……
みた感じだがあの人が読むようなタイプに見えない……
それに何年も前の“記事”……館の主人のか?
俺は気になったので、その記事を見始めた……
……そうか、そう言う事なのか…
だから、あの花瓶…そして“今日”…犯人の狙いも……
俺たちは無意識にこの人は“犯人”じゃないと、思い込んでいたみたいだ、あの人だってあの場所にいたのに……
「おーい、どうした陽太?なんかあったか?」
「謎が解けたかも知れない…」
「えっ!本当に分かったのか!陽太!」
「あぁ……急いで皆さんを玄関ホールに……俺は調べたい事があるから少し遅れてくる。」
「分かった!」
さて、目指す場所は“図書室”。
俺の推理が正しければ……
俺は足取りを重くしながら歩いた。
春雨 鬼灯 @Hiizumi
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