久しぶりの家族団欒。
存分にナイトを吸った私とお父さんは、そのまま武芸百般道場に向かってお母さんと合流。
お母さんはなんと師範と打ち合いながら
それを見守った後にお母さんへナイトを見せて、私と同じようにわんわん泣き始めるお母さんと、その間に師範へと挨拶をするお父さん。
お父さんは拳打で戦う予定なので、当然お父さんも師範から教えを受ける。だけど今日は流石にナイトの事があるので、また後日だ。
と言うか、ぶっちゃけると私達って今回はそんなに急いでない。比較的ゆっくり出来るのだ。
隠しダンジョンは家からも遠いので、仮にブレイクしたとしても大して困らない。白いライオンの身柄が欲しいから協力はするけど、だからといって絶対じゃない。
私達が優先するのはいつだって常に家族の安全だ。より確実に攻略する為にサナの町で準備が要ると言えば、政府も無視は出来ない。
だって私達って法の上では一般人だし。協力を要請してる時点で大分黒寄りのグレーなのに、その準備さえ満足にさせないって対応はマズ過ぎる。
と言う訳で、お父さんは明日からしばらく師範と徒手空拳を習うのだ。
「じゃぁ師範、また後で!」
お母さんを回収した私達は、次に魔女さんのところへ向かう。真緒がそこに居るはずだから。
道場を辞する時、なんかナイトと師範が視線で何かやり取りしてたのは気になるけど、それもとりあえず後回しだ。
「お邪魔しまーす」
「邪魔すんなら帰りな」
そんなこんな、魔女さんのお店に来た私達。挨拶すると帰れと言われる。相変わらずだなこの人。
「邪魔するけど、帰らないッ! ………………絶対にだ!」
「ああそうかい」
そもそも、このおばあちゃんは誰に断って真緒とイチャイチャしてるの? 私の妹やぞ。
強い意思で宣言する私を白けた目で見る魔女さん。ほんとなんで私こんなにヘイト高いの? 一番最初にランク4の魔法を使えた真緒が気に入られてるのは分かるけどさ。
「………………………………な、ナーちゃん?」
「ぁう!」
そんな私達を尻目に、真緒と紫ナイトが感動のご対面。スクロールを物色していた真緒は、ナイトを見てから石の様に固まって呟いた。
「な、ナーちゃんなのっ? …………本当にっ?」
「ゎうん!」
心がじんわりと、暖かくなる。
私が求めた団欒が、日常が、急に転がり込んできた。
「ナーちゃんっ……!」
それから駆け寄った真緒がひしとナイトを抱き締めた。もふもふしてスリスリして、くんかくんかしてスーハースーハー。うん、みんなやるよね。
見ていて我慢出来なくなった私達も集まって、皆でナイトをわちゃわちゃする。
「…………純粋な魔力に魂が?」
その様子を見てる魔女さんは、驚いた顔でナイトを凝視してた。まぁスキルって魔力らしいから、スキルに憑依してるナイトはその表現で合ってるのかもしれない。
魔女ってなんか研究者のイメージあるし、ナイトの研究させろとか言われても怖いから適当に挨拶をしてからお店を出る。
「ナーちゃんぎゅぅ〜♪︎」
「ぁうっ!」
「ナーくんいいこいいこ」
「わうわう!」
お店を出てから宿に戻って皆でナイトを可愛がる。甘えて来て無限に可愛い。なんか用事があった気がするけどどうでも良くなってきた。
「ナーちゃんは、お姉ちゃんとお父さんの魔力で出来てるの? じゃぁニクスの魔力もあげるねっ!」
「ぁう?」
そんな中、真緒が何かをし始めた。
撫でられるナイトがゆっくりと白くなっていく。…………そんなん出来るの!?
純白までは行かなかったけど、紫色が薄くなってかなり白っぽくなったナイトがそこに居た。
「あら、どうやるの? お母さんだけ仲間はずれは悲しいわ」
そしてお母さんも真似すると、また少しナイトの色味が強くなって、最終的にパステルパープルなナイトになった。これはこれで可愛い。
「…………冷静に考えると、全員分のスキルを注がれたナイトってかなり強いよな?」
「多分? 注がれた魔力の総量で色々と変わるはずだけど」
今までのナイトは私の蒼炎を消費し切ると消えちゃってたので、皆から注がれた魔力も同じ扱いだと思われる。
だけどそれを差し引いても蒼炎、紅犬、白雪、紫電の4スキルを使える存在とか、控えめに言って生物兵器じみてる。
「…………まぁ良いか。ナイトが可愛いことには変わりないしな」
「そうだよね! ナーくん可愛い!」
【100万PV突破!】Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜 ももるる。【樹法の勇者は煽り厨。】書籍化 @momoruru
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