第4話 転生 2

な、なるほどぉ。

俺は、確実に異世界に来てるわけだな。

こんなラノベが好きなオタクが夢見てそうなことが俺に起こってしまったってわけだな。

オタク共を笑えねぇなこりゃ。


さて、どうするか?

これしきのことで驚いてちゃ守れるものも守れない。

現実問題から行くが、俺は金を持ってない!!

故にお金が欲しいな。

大体のことは金があれば何とかなるしな。

まぁ、何とかしよう。

アレだ。

どっかに小銭が落ちてるかも知んねぇしな。

歩いてたらこんな大都市だ、小銭の一つや二つくらい落ちてんだろ。


馬人族の商人に別れを告げて、俺は中心部?バカでかい姫路城のような美しい城の方向に向かっていった。

いや〜、あんな綺麗な城があんのは気づかなかったなぁ。

正しくうっかりってやつだな!!


そのまま真っ直ぐ大通りを進んでいくと、道の端の路地にありました!!引っ勝ってるもの!!

それはなんでしょう????

そうです!!通貨です!!

俺は、チーターにも負けないくらいの速度でそこに走り、そのブツを回収した。

手に拾って見ると、百円玉より大きく、五百円玉より少し小ぶりな丸いコインだ。

金色に輝いており、真ん中には外国の貨幣のような肖像画が彫り込まれている。

そして、明らかに違うのは重み。

五百円玉よりか遥かに重い。

おそらくだが、小銭の中でもかなり価値が高い方だろう。


「ラッキー🎶」


るんるんるーん。

10分くらいで小銭にありつけるとは運がいいな!!

しかし、重要なことなんだがこの小銭はどのくらいの価値があるのか分からんな。

買い物しようにももし、このコインの価値がない、もしくは価値はあっても日本円で1円程度のものだったら買い物なんて出来やしない。

このコインの価値を道行く人に聞こうとしても、騙される可能性もある。


困ったなぁ.........

仮にもこのコインが大金だった場合、宝の持ち腐れにもなるしな。

どうするか.........

ん?

やべぇ!!

気づいたらめっちゃくちゃ太陽が沈みかけてんだが!?

仕方ない、どこか宿屋っぽいところに泊まるか.........

このコイン使えんのかなぁ.........


数百メートルほど歩いていくと、宿と書かれた建物を見つけた。

俺はそこに入ってみることにした。

通過の事を知る意味もあるがな、1番は休みたいってだけだが。


カランコロン.........

昭和の理髪店か!とツッコミたくなるような音がドアを開けると同時にそんな音が飛び込んできた。


「いらっしゃいませ〜」


入ってすぐ正面ににカウンターがあり、そこに店員がいた。

女の子で、顔はそれなりにいい。

が、俺の趣味じゃない。

右奥には部屋が3つほど続いており、階段があった。

横長の木造の建物だった。


恐る恐る、店員の元へ歩いていく。

この通貨が使えるか.........それだけで心臓がバックンバックンした。


「こんばんは〜、ご宿泊なら銅貨5枚からです」

「これから払えるか??」


そう言って金色のコインを差し出すと、店員はいきなり身を乗り出して、机を叩いた。


「うおっ!?なんだよ?」

「きっ!金貨じゃないですか!??」


ふむ、このコインは金貨か.........

つまり.........大金だった!???

よっしゃぁぁぁ。

これで何とか一日は過ごせそうだ!!


「ど、どうしてそんな大金を???」

「そ。それは.........」


確か日本ではネコババは犯罪だったよな.........

この世界では無罪とは限らない。

余計なことは言わないに限るな.........


「き、貴族のお方が.........お、俺の絵を買ってくれたんだよ!」

「す、凄いですね!!」

「お、おお」


貴族いんのか.........

まぁ、異世界だしな。

そんくらい居んだろ?


「あ.........」

「どうかしたか???」

「いや.........その.........」


ん???


「お釣りが足りません!!」

「あ、そう言うことか」


自販機とかであるやつだ。

500円入れたのにジュースが買えない!!なんで?

そう思った時、入れたお金が表示されてるとこ見ると10円がない時、マークが表示されてんのよな。

そうなった時、丁度で出さないと買えないんだよなぁ。

その状況が今、まさにここで起きてんのか。

ん.........

待てよ.........

ここで、通貨の価値を知ることが出来んじゃね?

物は試しだな.........


「じゃあ、銀貨1枚分、宿泊する」

「じゃあ大丈夫ですけど.........ウチに10日間も泊まるんですか?」

「ああ、家がないし.........」

「あ、すみません.........」


おい、店員。

その、可哀想コイツ.........みたいな目をやめろ!

その.........悲しくなんだろ!

まぁ、それは置いといて通貨の話だ。

なるほどな。

銀貨1枚=銅貨50枚か。

これが知れただけでも大きいな。

お釣りで金貨1枚が銀貨何枚分かも分かるしな。


「お釣りは銀貨9枚です!」

「おお、ありがとう」


銀貨9枚を受け取った。

金貨1枚=銀貨10枚か.........

金貨を1万円とすると.........

銀貨は1000円。

銅貨は50円となるな。

おおよその価値が知れただけでもここに来た意味があるな。


と、考えていると店員が鍵を差し出してきた。


「右手の1番奥、3号室をおつかいくだい。それではごゆっくり.........」

「あ、ああ。ありがとう」


そう言って俺は3号室へ向かっていった。



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一般高校生の模範的異世界生活 @Yukibjmg

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