暗殺者ギルド
暗殺者。
それは、第三者から依頼された殺しのミッションを請け負う仕事人。
ただ殺すのではなく、闇夜に紛れ痕跡を残さずにミッションを遂行する。死体が見つかっても誰の手によって殺されたのか分からず、暗殺者の手によって殺された事件は確実に迷宮入りする。
とある街の裏道。
人の通ることが全くない裏通りである。薄暗く気味が悪い。湿気も多くジメジメとしていることに加え、ほこりもひどい。
そんな人気のない場所で、フードを被った男と黒い衣装に身を包んだシッコクが曲がり角を介して接触していた。
「今日も暗殺者ギルドからのミッション?」
「シッコクをご指名のミッションだ。標的はこの貴族の男。依頼人は目標の敵貴族からだ」
黒いフードを被った男が、小さな紙に描かれた精巧なイラストと、情報が記載された紙をシッコクに手渡す。
「殺しの方法は問わない。人に見つからず暗殺し、数時間たってから他人に見つかるようにしてくれだそうだ」
「そう。分かった」
「それと、暗殺者ギルドについての噂だが、動きはない。一般市民からしたら暗殺者ギルドの存在なんぞ、ただの噂話程度にしか思っていないようだ」
「ならいい。暗殺者ギルドの存在が世間にバレたら私たちの居場所もなくなる」
「もし噂が本当だと知れても、おまえは大丈夫だろ。ギルドの中じゃおまえは最強の暗殺者なんだからな」
男の言葉に、シッコクは無表情のまま反応しない。
興味のない話を聞いているような感じだ。
暗殺者ギルド。世間では噂程度にしか認知されていない組織。
存在は都市伝説と思う人もいれば、誰かが尾ひれを付けて噂を広げたと考える人もいる。少数派の意見だが、本当にあると信じている人もいる。
そんな噂程度にしか認知されていない暗殺者ギルドだが、実在する。
暗殺を生業とする組織で、各国で秘密裏に活動している組織だ。
シッコクは暗殺者ギルドに所属しており、ギルド内では最強と謳われる暗殺者だ。
「おまえの武器召喚能力があれば、どこにでも潜入できるしな。好きな場所で武器を生成できるってチート能力でしかねぇよ」
そう言い、男は暗闇の中へと消えていった。
「最強になっても私の夢は叶わない。どうすれば夢が叶うのか分からない」
そう言葉を紡ぎ、彼女もまた暗闇の中へと消えていった。
暗殺者【シッコク】 @hajime0012
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