第3話 別れ、そして再会
だけど、ぼくたちふたりだけの時間は、そう長くはつづかなかった。(T_T)/~~~
交替で係をしていた夏休みの途中、とつぜん秋月さんが来なくなっちゃったんだ。
今年から復活した夏祭りのアバレ神輿にぶつけられそうになった幼い妹をかばい、大ケガを負ったらしい。まるで川に入って友人を救ったカンパネルラみたいに……。
🏥🧦
代わりにカンパネルラ組の生き物係になったのは、高慢ちきな女子だったんだよ。
ハナからぼくをバカにしていて、あとから係になったくせに命令ばかりするんだ。
「ちょっとぉ、早く草をあげなさいよ~。なにグズグズやってんのよ、ったくもう」
「い、いま、やろうとしていたところなんだけど…………ご、ごめん……」(*'ω'*)
「いままでなにやって来たのよ! 言っとくけど、フンそうじはあんたやってよね」
「え、そんなぁ………大声を出すとウサギが怯えるから、もっと小さな声で」('_')
ふたりのコンビネーションがうまくいかないこと、すぐウサギたちにも伝わって、6匹の半数がしょんぼりして、草も食べなくなったのには、ほとほと、まいったよ。
先生のアドバイスで動物のお医者さんに診てもらって、やっと持ち直したけどね。
人間の気持ちがストレートに伝わるんだなって、ウサギが
そしてね、秋月さんのケガがよくなるように、一所懸命に夜空の星に祈ったんだ。
ふたりで交わした会話を思い出しながら……なみだなんかも、ちょびっとね。💦
💐🦖
そんなぼくの祈りが星に通じたのかな、本当に奇跡が起きたんだ!!(*´▽`*)
二学期が始まってしばらくしたら、松葉杖をついた秋月さんが登校して来たんだ。
正直に言うと、ぼく、あんなにうれしかったこと、生まれてはじめてだったな~。
ついニヤケテしまうから、クラスで仏頂面を通すのがひと苦労だったよ。(笑)
むろん、カンパネルラ組の生き物係は例の生意気女子から秋月さんにもどったよ。
あとで知ったんだけど、秋月さんが自分で担任の先生に申し出てくれたんだって。
ザンネンながら、ぼくのためにじゃなくて、ウサギのために……だけどね。( ;∀;)
まあね、それも仕方ないんだよね、秋月さんはぼくの気持ちを知らないんだもの。
🦦🍭
このまま卒業まで無事に生き物係をつづけて、つぎの6年生にバトンタッチする。
それが当面の目標で、中学に進んだら、できれば秋月さんと同じ組になりたいな。
なりたいからってなれるものじゃないけど、なんとなくなれそうな気がするんだ。
秋月さん、にわかに大人っぽくなって来たから、ぼくがそばにいてあげないとね。
大方は嫉妬という厄介な感情に根っこがあるイジメとか、両親の仲がわるいとか、秋月さんちは幼い妹と父親がちがうとか……学校も家もいいことばかりじゃないよ。
むしろ、子どもなりにこらえなきゃいけない不条理? 世の中はそれに満ちているけど、ウサギが取り結んでくれたご縁をこれからもたいせつに守っていきたいんだ。
そして、いつかは秋月マコさんとふたりで「ほんとうの幸い」を見つけるんだ~。
いまはぼくの片想いだけど、きっと想いは通じるはずだからね。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
となりのクラスの秋月さん 🍧 上月くるを @kurutan
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