第6話
「…ハイッ!こちらスライム討伐完了の報酬になります。」
受付嬢が持ってきたのは少し膨らんだゴールド袋一つ
スライムの討伐報酬は650G…少ないなぁ
ゲームの時でもかなり面倒だったものがリアルで更に割に合わないモノになった
一応回数をこなしてレベルを上げれば難易度は下がるけど現状レベルの確認が出来ない所かそもそもレベルの概念があるか分からない。
…もうやけくそで聞いてみるか
「あの…すいません。」
「ハイ?何でしょうか?」
「えーっと…レベルってどうやって確認出来るか分かりますか?」
「へ?」
受付嬢は目を点にして拍子抜けしているようだった。
あーこれは無いパターンかな?
「…あーいえ何でも無いです。じゃあコレで…」
俺は目の前の袋を手にして去ろうとしたら手首を掴まれた
「え?」
「スイマセン!そう言えばもう一つ渡すものがあったのを忘れてました!」
そう言って掴んだ俺の手の薬指に装飾の無い銀色の指輪をはめた。
すると俺の目の前に【03】の数字が出てきた。
「目の前に数字が出てきませんでした?」
「…あ、ハイ03って数字が出てます。」
そう言うと受付嬢は俺の手にはめた指輪を外すと目の前の数字が消えた。
まさかのレベルの確認方法がコレか…
一応レベルの概念があって確認する方法があったのは良かったでが一々指輪はめて確認しないといけないのは面倒だな…
常時していれば目の前の数字がずっと出てるのは流石に鬱陶しいしこれはアイテムボックスに収納しておくか…
「申し訳ございません…本来は登録時に渡すんですが忘れてしまって…」
受付嬢は申し訳なさそうな顔で頭を下げた
「ああ…大丈夫ですよ、じゃあこれで」
俺は少し頭を下げギルドを出た。
この後はどうするか…金もそこまである訳じゃないし…
金があれば鍛冶屋で装備の新調とかするんだけど今の所持金じゃそれも出来ない
アオダケの採取も毎回受けれないしスライム以外のモンスターは最悪死ぬかもしれない
こりゃゲームの時よりも大変だ…ってか現状スライム以上のモンスターを一人で討伐できるのか?
攻撃があまり痛くないスライムなら問題ないけどウルフってなると無傷では済まないのは明白だ
そうなると罠を仕掛けて一網打尽にするか単体で行動しているウルフをおびき出して1vs1で倒すしかない
…まぁ考えても進展は無いしまずはウルフの生態を調べるか
俺はもう一度ギルドに戻ってハンターたちに聞き込みを始めた
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そして夕日が沈み夜になった頃
俺はハンターから教えてもらったウルフの生体情報をまとめたメモと持って家へと帰っていた
有効な罠の情報も貰ったが金が足りないのでとりあえず1匹ずつ討伐していく事になった
ついでにギルドで受注をしたが討必要伐数が30匹…
そう言えばこのゲームってクエストレベルが上がると同時に討伐数も倍になるって事をすっかり忘れていた。
終盤になると確か数百匹とかあったような気がするけどどうやって狩ればいいんだ…
マジで何考えてこんな鬼畜設定にしたんだ?ゲームだと笑ってたけどリアルだと全く笑えない…
それにゲームだと討伐クエストはサブイベント扱いでバグ技使って金増やしていたから全く触れていなかったんだよなぁ…
とりあえず今日は寝てウルフ探しに集中しないとな
…っと考えてるうちに家が見えてきたけど明りがついてるのが見える
そういやキリカさんを朝から見てなかったけど何処かに行ってんだろうか?
…いや、余計な詮索はしない方が良いか。
とりあえず帰って今日と明日の事は報告しておこうかな
俺は家の前に着き中に入った
「あ、おかえりなさい」
キッチンで料理中だったキリカさんが一旦中断しこっちに来た。
「ただいまです。今日は朝から見なかったけどどこかに行ってたんですか?」
「え?ああ、今日はこの辺りの薬草や木の実を集め回っていました。」
「へぇ~そうなんですね。」
そういやアカダケ採集していた時にチラホラ見たけど結構あったな…
あの時はひたすら採取していたから気にも留めなかったけどキリカさんが探してきてくれていたのか…
「今日料理に使わない分は部屋の奥に備えているので空腹の時はどうぞ食べてください」
「いえいえ、もうホントありがとうございます。」
まぁ今日の事は食いながら話すか…
そうして今日も俺はキリカさんが作った料理を食べつつ今日の事を話した。
クソゲー転生譚 @nagi7412
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