アクション映画のようなエンタメ感

 謎の連続無差別殺人鬼と、それを始末すべく動く殺し屋コンビのお話。

 殺し屋と殺人鬼の激しい銃撃戦が魅力の、現代もののアクション掌編です。

 紹介文の「洋画っぽいやりとり」の通り、映画みたいな雰囲気が楽しい作品。
 登場人物が(というか敵役である殺人鬼が)何か主義主張のようなものを語る場面などはありつつも、お話の軸足はずっとエンタメにあるのが素敵。

 好きなのはやっぱりキャラクター。
 主人公の殺し屋コンビに、その敵の連続殺人犯と、主要な登場人物が全員人殺しというこのバイオレンス感。
 にもかかわらず、お話のノリ自体はあくまで軽妙で、サクッと楽しく読めるところ。
 重かったり暗かったりするお話もそれはそれで魅力的なものですけれど、本作の場合はこの明るい空気感がとても素敵だと感じました。

 アクションの楽しさを感じさせてくれる作品でした。紹介文にもある通り、いわゆるバディもののお話でもあります。