どうしようもない酔っ払いと煮え切らない人生

 雨の真夜中、車で酔っ払いを送り届ける道すがらの、他愛もない雑談のお話。

 男女のちょっとした掛け合いを描いた、現代ものの掌編です。
 というかロックバンド『レッド・ホット・チリ・ペッパーズ』の紹介みたいな感じのお話。

 音楽については全然詳しくないため、あまり気の利いた感想は言えないんですけど、ふたりの楽しそうな様子が素敵でした。

 主人公の彼が好きです。
 共感というかなんというか、いわゆる「早口オタク化」みたいなのは自分も身に覚えがあるので……。
 人が何か好きなものについて語るときの、あのウキウキした様子っていいですよね。

 6,000文字弱のコンパクトなワンシーンで、サクッと読めちゃう手軽さも素敵な作品でした。