近頃の高校生は手が早い〜時野と無季〜

須天一哉

〜時野と無季〜出会い

「君、大丈夫?」

思わず声をかけたら少年は何事かとスマホを見ていた顔を上げた。

「え、なんですか?」

得になにかあったわけではない。可愛いと思ってしまい、つい声をかけてしまった。

今まで可愛いと思う子がいても行動を起こすなんてことなかった。こんなことなかったのに!一気に体の熱が上がる。

「ご、ごめん、大丈夫ならいいんだ。熱とか無いよね?」

あるのは俺だ!

「ああ、大丈夫だけど」

当たり前だ、そんななんの前触れもなく熱なんて出るわけない。

「本当ごめんね、勘違いだったみたい」

恥晒しが!心の中で叫び立ち去ろうとした。


「お兄さんの方こそ頭大丈夫?」

衝撃の一言にそれ以降何を話したのかどう帰ったのかも覚えていない。頭を心配されるなんて。どうかしている。


「良かったね、通報されなくて」

大学の机で頭を机に起き、突っ伏していた。その横で友人の春明(はるあき)がスマホをいじっていた。

「今考えてもドキドキする」

「通報されてたら退学だったかも知れないもんな」

「そっちのドキドキじゃない!あの子すごく可愛かったんだよ。ほんとに!」

そっちかといった呆れた表情で晴明は見ていた。

「中学生?」

「いや高校生じゃないかな。小柄ではあったけど」

「小柄……ねぇ」

意味深につぶやく晴明を睨みつける。

「なんだよ」

「高校生といえば今日、高校生向けの学校説明会の手伝いがあるんだろ。さっさと行ってこい」

「あ、そうだ。もう行かないと」


慌てて立ち上がり鞄に荷物を詰めた。

「じゃあまたあした」

「ああ、その少年が来てるといいな」

「そんなばかなことあるわけ無いだろ」




「そんなバカな……」

思わず声に出ていた。

「時野来巣(ときのくるす)です」

受付で一覧も確認せず、目の前に立つ高校生の顔を見つめた。それは昨日声をかけた少年。少し戸惑ったように眉を寄せた。

「俺の顔になにかついてます?」

「あ、いや。すみません」

慌てて一覧を確認しチェックをつけ資料を渡した。

どうやらこちらのことは覚えていないようだ。

しかし、彼がこの学校には入ってくれれば幸せなキャンバスライフが!


「こちらを持ってお好きな席へどうぞ」

笑顔で会場の方を示すと少年はこちらをじろじろ睨みつけながら立ち去ろうとするが足を止めた。

「あ、昨日の変態」

「変態!?」

思わず立ち上がる。

すると驚き少年は逃げ出し会場へと入っていった。

「無季(むき)、何かあったのか?」

「いや、変態って言われた……何もしてないのに……」

呆然とするが、まだ後に学生がずらりと並んでいる。

受付の仕事を済ませ、帰っていいと言われたが会場へと入った。


先程の少年、時野は……

会場内を見渡すと、隅の方でぽつんと座って俯いていた。両隣には別の学生が座っている。

小柄なせいかその背中がすごく可愛く見える。


部屋の明かりが落とされ正面モニターに映像が映し出される。

(俺も見たなー、懐かしい)

そんなことを思いながら時野に目を向ける。

しばらく見ていると、時野が時折体を震わせてるのが分かった。

(どうしたんだ?)

場所を移動し、会場のサイドへ立った。


そこから状況を見て生唾を飲み込んだ。

時野の右サイドの学生が時野の股間を撫で回している。

薄暗いがそれがはっきり見えた。

思わず座席の間を進み時野の手をつかんだ。

「すみません、座席の移動をお願いします」

とっさにしては冷静な発言を出来た。

時野は顔を上げるとモニターからの明かりで涙が光った。

(それで震えてたのか)

先に時野を連れ出した。時野は慌てて自分の鞄を持って席を立った。



後ろの空いた席まで移動する。

「ここでいいか?」

時野に座るよう促すと時野は頷き座った。その横に屈んで時野の顔を覗き込む。その顔はまだ動揺していて、手は鞄を握りしめていた。

(抱きしめてやりたい、そばにいてやりたい)

そんな気持ちが強くよぎるが、変態と呼ばれた手前それは出来なかった。

「後ろに居るから、何かあったら呼んで」

立ち上がり、後ろの壁付近で立った。


「何かあったのか?」

教員が気になったのか歩み寄ってきた。

「いえ、その……」

小声で事情を話すと、教員は「分かった」頷き離れていった。

映像が終わり、明るくなると再び教員の説明が始まる。


先程話した教員は手を出していた学生に声をかけていた。しかし、追い出すことはしなかった。

それに苛立ちを覚えた。


「なんで追い出さないんですか!?」

説明会が終わり、教員を追いかけ声を上げた。

「追い出すと、変に脚色され噂される。追い出さずに顔と名前を覚えておけば受験時弾くことはできるだろ。まあ決めるのは私ではないがな」

教員はそう言って教員室へ帰っていった。

煮えきらないが真っ当な返事だった。


急いで説明会の会場に戻るが、時野は居なかった。

(まあ待ってるわけないよな。さよなら一時の恋)

と振り返ると、時野が鞄を抱えてて立っていた。

「うわっ、まだ居たのか」

「あの、ありがとうございました。席移動してもらえて助かりました」

時野は恥ずかしそうにしているが、しっかりこちらを見ていた。

「ああ、でもこの学校には入りたくなくなったよな」

あわよくばなキャンバスライフ計画が崩れ落ちた。


「いえ、ここには入りたいので受験はします。あなたみたいな人が居るなら、いいかなって思うし」

「そうか、なら良かった。あ、よかったらライン交換しないか?」

「はいお願いしたいです。あと、できれば受験のコツとかも教えてもらえると助かるんですけど」

時野はスマホを取り出した。

「それはもちろん!」

キャンバスライフの夢が間近に、それ以前に入学前からわあよくば!


「あの、よかったら今日一緒に食事でもしませんか?」

「え?いいの!?」


「あの、よかったら今日ホテルに来ませんか?まだ話足りなくて」

「ああ!ぜひ!」




「ここまで来たんだからいいですよね?先輩?」

流れが早すぎる!

時野は股間の上にまたがっていた。

泊まるつもりで二人はシャワーを浴び終え、バスローブ姿。

無季は唇を指でそっと撫でられる。

最近の子は、手が早いと聞いてたが。とはいっても歳の差はそんなにない。


「先輩、もしかして初めてですか?」

「は、初めてだよ!」

「じゃあ攻め受けどっちかわかります?」

「せ、攻め!挿れる方!」

受けなんて想像もしていなかった。

「へぇ、攻めなんだ。じゃあおしりほぐしてくれますよね?大丈夫ですよ、シャワーで中は洗っときましたから」

時野はそう言って、ホテルのバスローブを脱いだ。


無季の手を取り、おしりへと誘導する。

「いや、俺そこまでは」

「ならさないと中が傷ついちゃいますよ、そしたら責任取ってくれるんですか?」

「本当に君、高校生だよね!?」

「当たり前じゃん、パパ活、男でもできるって知ってる?こういうの慣れてるから大丈夫だよ。それにもう我慢できないでしょう?」


時野は耳元で囁いた。時野のお尻の下では熱くなり硬くなったそれが時野のお尻を押していた

もっと純粋な子かと思ってた。しかしそれとは違った。

「お、俺帰る」

「何ビビってんの?タダでしてあげるって言ってるのに」

時野は無季の下着をずらして、反り立ったそれを取り出した。

「ここをこうするの」

と時野は腰を下ろし中へと一気に飲み込んだ。

「うぐっ」


「すごい、一気に飲んじゃった」

時野は嬉しそうに言って、腰を揺すった。

「やめろ、動くな」

「そんなこと言って、俺のこと好きなんでしょ?」

「どうして、そんなこと……」

「店でじろじろ見てたでしよ?その時パパ活ターゲットかと思ってたんだけど、声かけてきても釣れなくて驚いちゃった」

時野は腰を上下に動かし、無季の塊を吐き出しは飲み込み繰り返していた。


「あぁ、すごい、この形初めてぇ」

時野は喘ぐような高い声を出し、何度も腰を振り続けた。

「なんて声を出すんだ」

「だって、気持ちよくて。無季さんも腰振って、奥まで打ち付けて」

好みの容姿が甘い声を出し、それが頭に響く。その体が性欲を刺激する。

こんなことされて、とめられるわけがない。


時野の腰を掴み腰を打ち付けた。

「あん、無季さん、すごい、早い。本当に初めてなんですか?」

「ああ、きもちぃ」

時野の中に熱を吐き出し、体を震わせた。


(もう無理だ)

無季は挿入したまま体を返し、時野を仰向けに寝かせた。

「無季さん、駄目ですよ。ニ回目からは有料です」

「せこ」

無季はそんなこと気にしていられず腰を振り出した。一回では熱はおさまらなかった。


もっと、もっと支配したい。


時野のあえぐ声が響く。

こんなことが叶うなんて思わなかった。こんな可愛い子をだけるなんて。


時野の体をうつ伏せにさせ、再び挿入する

「中ぐちょぐちょ」

「無季さんのせいでしょ?あっ」

生意気なことを言う口を手で塞ぎ、腰を振り続けた。

バックで腰を振ると深くまで、根本まで満たされる。


「んぁ」

先程までとは違う甘い声が時野の口から漏れた。

「どうした?これが気持ちいいのか?」

「ちっ、ちが、あっんっ」

熱い息のこもる声が漏れた。

「そうか、さっきまでのは営業であえいでたのか。やっと気持ちよくなって来たんだな?」

そう言うと、時野の耳が赤くなった。うっすらだが首まで赤い。

「違っ、今も営業ぅうぁ」

「喋れなくなったな」

「しゃ喋れるに決まっ、うっ、喋れるっ、あっ、あん」

中が十分に熟れ熱い。

「かわいい。すごい好き」


無季は容赦なく腰を打ち付けた。

それに合わせ時野の声が溢れ出る。

「きもちぃ、きもちぃい」

時野の口からも言葉が漏れた。


「そろそろ出すよ」

無季が熱を出すと、時野は体を硬直させ達した。

しばらく熱い呼吸だけが響き、時野は体を震わせた。

「うそ、うそ、うそ!」

時野は無季の体を押して起き上がる。

「なに?」


「屈辱……触られずにイっちゃうなんて」

「そんなに気持ちよかったのか?」

無季が聞くと、時野は下唇をかみ、ベッドに倒れ込んだ。

「お前、嫌い」

「好きなくせに」

「おっさんのとは違うんだね。若い体っていいな」

時野はイタズラっ子のように笑って、無季に顔を向けた。

「お前の発言のほうがおっさんっぽいぞ」


時野をそっと抱きしめると、胸元にすり寄ってきた。

(くそかわいい!)

「セフレになってよ」

おもむろに時野は言った。

「恋人にならいいけど」

「恋人はな、パパ活許してくれるならいいけど」

「俺としたいならパパ活は禁止」

こんな可愛い子を他の男に抱かせるなんて許せない。

「わがまま!俺大学のお金も稼がないといけないんだぞ!」

「じゃあ、普通のバイトをすればいい。セフレもなし」

「じゃあいい」


時野は背を向け身を丸くした。

断られるとは思わなかった。あんなに気持ちよくなってたのに。

ショックを隠せず、無季は時野の背中に抱きつきすり寄った。

「そうだ、お金。5万ね」

「高っ」





次回予告

セフレを断り、恋人も断られ時野は実家へと帰った。

ある日会いたいと言われ、時野の実家へと向かう。しかしそこは実家ではなく漁業の盛んな町。

「見ててほしいんだ」と力ある漁師たちとの時野のセックスを見せられる。

どうしてこんなことになったのか……次回「漁師から新鮮なサカナ(時野)を奪い取れ!」

(次回はありません)

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