あとがき
まずはここまで読破頂いた方に、心より御礼申し上げます。
「ホームレスから転生した俺が異世界を統治したら、元の世界がカオスだった件」
という、やたら長い題名。
何となくラノベ感を出そうと思ってそうしてみたのですが、何となく日本語として微妙な題名ですよね。
しかも、「元の世界がカオスだった件」の意味が解るのも、物語の後半になってからという・・・
いわば「ネタバレを含む題名」になっている訳ですが、物語の序盤を読んでいても、読者は「何がカオスなの?」と思ってしまうのかも知れません。
これは狙ってそうした訳では無く、単に私の「ネーミングセンス」が無いだけなんです(笑)
さて、それはともかく。
そもそもこの物語を書こうと思ったきっかけは、ロシアによる「ウクライナ戦争」でした。
テレビ報道は「ロシアが悪い!」の一色で、日本政府も「ロシア非難決議」などをやってましたし、アメリカの高官も「ロシアの暴挙」として取り上げていました。
私はそんな社会の情勢を見ながら、「何かおかしいな」と感じていました。
何がおかしいかと言うと、「ロシアはナチに対抗する為にウクライナに侵攻した」という報道がされていたけれど、聡明な筈のプーチン大統領が、そんな理由だけで侵攻するとは思えなかったからです。
非難を受けるかも知れませんが、僕はプーチンが嫌いではありません。
そう思ったきっかけは、10年くらい前にどこかの国で行われた「終戦セレモニー」です。
大きなモニターがあって、そこに戦争の歴史が映し出される前でダンサーが躍りを踊る。
それを世界の大統領や首相達が観覧している中で、ダンスが終わりを迎える時、モニターには原爆が爆発する映像が流れる。
「原爆が戦争を終わらせた」という意味なのだろうが、その時に、世界の首脳が大きな拍手を送る訳です。
オバマ大統領は笑顔で拍手をする。
他の国の首脳も拍手をする。
しかし、ロシアのプーチン大統領とドイツのメルケル首相は拍手をしなかった。
そして、プーチンだけが、日本に原爆を落とす映像を見て、胸で十字を切ったのです。
日本に原爆が落ちる映像を見て、笑いながら拍手をするオバマ大統領と、悲しそうに胸で十字を切るプーチン大統領。
どちらが人間として真っ当だろうか?
私はそれから、プーチンの動きを追う様になり、彼の発言や主張を意識する様になりました。
すると、驚いた事にプーチンの発言は、いつも「真っ当」なのです。
なのに、そうした事は日本では報道されず、アメリカに至っては歪曲して報道される。
そこで私はこう思った訳です。
「もしかしたら、世の中で言われる『陰謀論』って、本当の事なのかも知れない」
そうして色々な陰謀論や都市伝説を調べ、「これらが全て事実だったとしたら」という内容の小説を書いてみようと思ったのが、この物語を書くきっかけになった訳です。
内容的にはSFチックな異世界転生ファンタジーなんですが、この物語は、後世に
「あの小説は、現実社会の予言をしていたのでは?」
と、特に都市伝説界隈の人から話題にされるようになれば面白いなと思い、2話の時点で「こんな未来が起こり得るだろう」という内容を表現しました。
そして、「そんな地獄の様な未来を救うにはどうしたら良いのか」をテーマに、ショーエン・ヨシュアとして転生した主人公が、地球の未来を地獄にしない為に戦う内容にしたかった訳です。
この小説を書きだしたのが2022年の5月中旬なのですが、最初にホームレスの主人公、吉田松影がインターネットカフェで「第三次世界大戦」の動画を見るシーンがあります。
この頃は現実社会では「第三次世界大戦」なんて話題には上がっていませんでしたが、10月下旬現在、テレビでも「第三次世界大戦」というワードが出て来る様になりました。
もしも2023年に第三次世界大戦が勃発したとしたら、この物語の第2話は、ちょっとした「予言的中」となる訳です。
そうはなって欲しくありませんが、世界がこのままの方向で進んでしまうと、第三次世界大戦は実際に起こりかねません。
なので、せめて物語の中では「そうした未来がやって来ない様にするにはどうすれば良かったのか」という事が読者に伝わればと思い、主人公達に色々働いてもらった訳です。
まず、最初の舞台はプレデス星でした。
超未来的な世界で、便利で平和で人々の心も穏やか。
皆が健康で、容姿も一様に美しく、そしてデバイスによる「超管理社会」。
精通や初潮まで政府に監理され、「善行」をしていなければ報酬は貰えず、強欲や傲慢な人間は政府に捉えられてレプト星に収監されてしまう。
平和ではあるが退屈でしかない世界です。
これは、現実社会の行き着く先が「こんな世界では無いのか」という事を推測して表現しています。
内閣府が推奨する「ムーンショット計画」は、2050年には社会に普及させるのが目標だと言っています。
そして、「2025年には計画を進める」とも。
2025年と言えば3年後です。
ならば2022年現在に、何もしていないなんて事は考えられません。
思い当たる節は色々あります。
経済破綻による「ベーシックインカム制度」が国会でも議論され始めていますし、「マイナンバーカードへの一元化」は河野太郎大臣が主導して、やたらと急いでいる様にも見えます。
更に、現金の使用を減らして、「電子マネーで給与を受け取れる法整備」が具体的に始まっていますね。
どうですか?
プレデス星の世界観に似ていませんか?
次の舞台はクレア星です。
プレデス星よりは人間の個性を発揮できる社会ですが、それでもプレデス星仕込みの内気な人間達は、あまり他人との交流を深める事が出来ません。
ティアやシーナ、メルスやライド、イクスやミリカも最初はそうでした。
彼らはショーエンの太々しさによって、半ば強制的に社交的になりましたが、Aクラス以外の人間は、引き続き内気なままで、他人とのコミュニケーションも苦手です。
現実世界も、パンデミック以降、やたらと「リモートワーク」やら「ソーシャルディスタンス」やらで、他人とのコミュニケーションが希薄になっていませんか?
人間同士のコミュニケーションから、極限まで無駄を省いていくと、クレア星の人々の様になるのではないでしょうか。
ショーエンは、それが本能的に気に食わないのです。
(つまりは、「作者である私が」って事ですね)
で、ショーエンは極力クラスメイトとスキンシップをして、クラスメイトも徐々にスキンシップによって得られる人間関係を心地よく思える様になっていきます。
そうして学園生活を過ごす中で、イクスが料理を、ミリカが衣装を作ります。
料理については、現実社会でもいずれやってくるであろう「食べた物まで管理される社会」「本物の肉や魚が無くなり、培養肉等になる社会」を表現しつつ、「本物の食材を食べた方が旨いぞ」という事を伝えようとしました。
が、読み返してみると、何だかうまく伝わらない気がしているので、ここはリメイク版で修正していきたいと思っています。
衣装については「ピグマリオン効果」というワードを出しています。
ピグマリオン効果についてはググッて頂ければ詳しく知る事が出来ると思うのですが、元々は「人間は差別されたら能力が低くなる」事が実験によって証明された効果の事です。
今の日本社会って「格差社会」になっていますよね?
これは、圧倒的多数を占める庶民に「お前達は生産性が低い」というメッセージを無言で送られている様に私は感じています。
そして、それを無意識に感じる事によって、この「ピグマリオン効果」が発動し、実際に「無気力で無力な人間」になってゆく未来が見える訳です。
それをミリカの衣装によって「ピグマリオン効果」の実効性を表現し、「この効果は、ポジティブな使い方も出来る」という、「我々が社会の思惑に対抗できるマインドの持ち方」を伝えようとしたものです。
そうしてショーエン達は学園史上初の好成績を納め、特例措置として、インターンシップ制度を勝ち取る事になります。
そして次の舞台「テキル星」へと向かいます。
テキル星の西の大陸は「中世の世界観」を、表現しています。
貴族社会で血筋が重んじられ、血統の為なら庶民を弾圧する事も厭わない。
更に、庶民に有能な者が少なければ、無能でも血筋は一流のプレデス星人を呼び寄せて、血筋の為だけに薬漬けにして性奴隷にする事を目指す「自称魔術師」が現れます。
これは、現実世界の「中流階級」が、「どんぐりの背比べ」の如く「ブランド品で自分を高く見せよう」とする姿を揶揄したつもりです。
高級車に乗るDQNなどが良い例ですが、表面的な姿に内容が伴わない輩を、滑稽なものとして表現するつもりでした。
ちょっとうまく表現できていなかった気もしますが(汗)
更に、テキル星には「信仰」があります。
ここでの信仰とは「恐怖から逃れる為に龍神を祀る」というもので、本来の信仰の姿とは別物ですよね。
本来の信仰とは「正しくある為にはどうすれば良いのか」を「神から学ぶ」為に行うものです。
つまりは「自分自身の価値軸を確立する為」に信仰するのです。
本来、日本でも信仰とは古来よりそういうものだった筈なのですが、現在は、統一教会でも話題になっていますが「地獄に落ちる恐怖から逃れる為の信仰」のようなものが多くなっている気がします。
信仰の目的の順番が違うのです。
価値軸を確立して「何が正しくて何が間違っているのか」を見定める事が先で、「自身が堕落する事」が恐怖の対象であるのです。
なので、自身を堕落させない様に、神に祈る訳です。
しかし、統一教会等は「何をしていいか分からない。漠然と未来に不安がある。知らない世界の事は怖い」から、そうした漠然とした恐怖から逃れる為に「信仰してれば、この恐怖から救われる」という「都合の良い答え」をくれる偽物の神に「二度と恐怖を感じなくて済む様に、お金を払って喜んでもらおう」として、結局は破滅へと向かって行く訳です。
バティカ王国もそうです。
龍神を信仰しているのは「恐怖からの脱却」が目的であり、だからといって「何が正しいのか」は誰も分かっていない世界です。
それをショーエンが「社会に貢献する事を目指せ」というメッセージを四苦八苦しながら伝えていく事になります。
そうして、善行を行っている人には「自尊心」を与え、そうでない人には「罰」を与える事で、規律を整える事になります。
しかし、規律を乱そうとする「魔王」の存在が現れ、ショーエン達は「東の大陸」に向かう事になります。
ここでは現実世界でも横行している「プロパガンダ」について表現しています。
日本のテレビ報道もそうですが、「ロシア悪し!」というプロパガンダが現在進行形で行われていますね。
ロシアが最初にウクライナにミサイルを撃ち込んだ場所を、地図でよくよく調べてみると、「ウクライナ国内にあるアメリカ軍の研究施設」がある場所だという事が分かります。
テレビでは「ロシア軍が、バイオ兵器を使う可能性がある」とか「汚い爆弾を使う可能性がある」などとアメリカの高官が言ってる事をそのまま伝えていますが、これって実は「アメリカが作っていたバイオ兵器や汚い爆弾を、ロシア軍に見つけられてしまった」という事実を、「ロシアがウクライナの責任にする様に、偽旗作戦をしようとしている」と報道しているのではないのでしょうか?
これってプロパガンダですよね。
日本のテレビでは「ロシア国内のテレビで反戦アピールした女性」がやたらと報道されましたが、あれがCIAのエージェントでは無いと誰が確認したのでしょうか?
過去の戦争で、偽旗作戦をやりまくってきたアメリカが、「ロシアは偽旗作戦をやろうとしている。責任を他国に擦り付ける許されざる行為だ!」と言っている滑稽さには違和感しかありません。
物語中の魔境では、遺伝子操作された種子でしか農業が出来ないというお話になっています。
この種子で作った作物を食べると、癌になりやすくなり、自閉症になりやすくなります。
これは、現実世界の日本でも起きている事で、モンサントというアメリカの会社が作った「遺伝子操作された種子」の60%以上を、日本が購入しているという事実があります。
日本政府はアホなんですよね。
日本の農家が作った質の良い作物は、減反政策によって作れなくしてゆき、逆にアメリカの圧力で「遺伝子操作した種子を使え」と言われれば、ホイホイと法整備して購入させる。
他国では「人体に危険なので輸入を禁止する」と言われた種子を、日本はどんどん購入しており、スナック菓子などに紛れて日本人が食べている訳です。
これに対する作者の怒りを、ショーエンが代わりに魔王に激怒してくれる訳です。
そうしてショーエンは魔王と対峙し、意外とあっさり倒してしまいます。
これは、現実社会のアホ政府も、国民が意識を持てば、選挙で簡単に倒せるんだという事を表現しています。
そしてショーエンは、テキル星を統治し、まともな議会を作って現地人に政治を委ねる事になる訳です。
そして、一旦クレア星に戻って学園を卒業する訳ですが、次の舞台は地球です。
地球に行く前に「月」に行くわけですが、実は「月」が人工物だという都市伝説があり、その都市伝説をそのまま使わせてもらいました。
そして、誰もに馴染みのあるUFOを月で借りて、地球に降り立ちます。
降り立った地球は西暦1983年の春。
昭和の日本です。
この頃の日本は、高度経済成長の真っただ中で、人々が元気だった時代です。
適度に不便な社会で、その代わり、人々の心は温かい。
古き良き日本の姿を描いています。
身分証明なんかもザル状態の日本なので、ショーエン達も東京で「身分証の偽造」が出来てしまうし、金塊なども簡単に現金化できる訳です。
2022年の日本では、こんな方法で現金化をすれば、すぐに税務署と警察が飛んできますけどね(笑)
そうして何とか日本人として定着する事ができたショーエン達は、日本でビジネスを開始します。
ここからは、現実の日本の歴史が「こうだったら良かったのに」という私の願望です。
何故ショーエン達が「過去に転生していたか」というのも、「この時代からやり直さなければ世界の陰謀は止められなかった」と「地球の心が考えた」からです。
アメリカに従属していた日本がショーエン達の活躍で「真の独立」を果たし、世界で最も歴史の長い国家である日本が「世界をリードする」のが伺える展開です。
そして「300人委員会」というのは、都市伝説界隈では有名な「イルミナティ」の事ですね。
物語の中でも「金融を支配している『ロスチル』」という名前が出てきますが、実はロスチルというのはフランス語の読み方「ロチルド」に似せたもので、一般的な英語名は「ロス・チャイルド」です。
イギリスとフランスが戦った「ワーテルローの戦い」で、ナポレオン率いるフランス軍に「イギリスが負けそうだ」という嘘の情報を流し、みんながフランスに投資している間にイギリスに投資をしてぼろ儲けをしたロス・チャイルド。
この時代から「プロパガンダ」は存在したし、こうして世界を騙してボロ儲けをしていた一族が、現在も世界の金融をも支配しているのです。
ちなみに、「日本銀行」もロス・チャイルド一族が発起人の一人なので、日本の金融も現在進行形でロス・チャイルド一族に牛耳られていると言わざるを得ませんね。
この一族に逆らった国の首脳は、何故か次々と謎の死を遂げていますしね。
ケネディ(アメリカ)、カダフィ(リビア)、チャペス(ベネズエラ)、フセイン(イラク)、プーチン(ロシア)。
ロスチャイルドの金融支配に逆らって、この中で今生きているのはプーチンだけ。
どうして今、ロシアのプーチンが悪者扱いされて欧米から集中攻撃されているか、何となく全体像が見えてきましたかね?
更に石油利権はロックフェラー、遺伝子組み換え利権はモンサント、製薬利権はファイザー、軍産複合体の利権はモルガン・・・などなど、そうした「イルミナティ」による業界支配を「300人委員会」という形で表現し、ショーエンが彼らを倒すのではなく「改心させる」という方法で解決を図っていくという展開にした訳ですね。
ちなみに「300人委員会」が信仰している「ルシファー」ですが、これは本当に実在する神ですね。
今は誰がルシファーの座にいるのか作者は知りませんが、10年位前にロックフェラーがルシファーを信仰していたのが分かる動画があったんですがね。
今はユーチューブの規制も厳しい様で、支配者達に都合の悪い動画は見れなくなっていますね(笑)
現実世界のプロパガンダはどんどん露骨になってゆく様です。
という訳で「ホームレスから転生した俺が異世界を統治したら、元の世界がカオスだった件」は、「こういう作品だった」という事がお分かり頂けたでしょうか(笑)
作者のメッセージ性が強い作品になってしまいましたが、この作品の続編は、ハートフルコメディ路線で行こうと思っています。
まだプロットを起こしてはいませんが、最終話で分かる通り、みんな子供が生まれます。
なので、「子育て物語」を書いて行こうと思います。
神の使いでも、子育ては大変!
ショーエン達が、どんな子育てをしていくのか。
子供の教育とか、そういった社会問題にも触れながら書いて行きたいと考えています!
子供がいるお父さん、お母さん!
インタビューさせて下さい(笑)
という訳で、ここまでお読みいただいた全ての方に、心からの感謝を述べて締めくくりたいと思います。
本当に、ありがとうございました!
あ、そうそう。
これはフィクションですので「信じるか信じないかは、あなた次第です」からね(笑)
こう言っておかないと、私も「支配者」に消されてしまうかも知れませんからね(汗)
ホームレスから転生した俺が異世界を統治したら、元の世界がカオスだった件 おひとりキャラバン隊 @gakushi1076
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