どんな願いも叶うと噂される、謎に包まれた学園――私立才王学園。
そこでは、"能力"によって階級が決まり、力なき者は徹底的に蹂躙される混沌の世界が広がっていた。
この学園に転入した少年、椿 円華。
彼がここに来た理由はただ一つ。
「姉を殺した犯人を見つけ、必ず復讐する」
学園の頂点に立つもの、裏で暗躍する者たち、
欺き、騙し、血塗られたゲームが繰り広げられる中、
円華は「カオスメイト」と呼ばれる存在たちと交錯していく。
狂気と策略が渦巻く学園で、少年は果たして真実にたどり着けるのか?
そして、復讐の果てに待つものとは――。
裏切りと罠が交錯する、極限の学園バトルサスペンス、開幕!
一章を読み終わった時点でのレビューです。
本作で特筆すべきは著者による若々しいセンスだと思います。
主人公からしてまだ高校生ながらアメリカ軍に所属した経験があり、対テロ部隊で実績を持ち、人を殺した過去もあり、普段はシニカルでありながら、その裏で仲間想いの一面も見せる。
極めつけに、舞台設定が現代に近いながらも不思議能力持ちと来た。
どんだけ盛るのか。しかし、それこそが心地よいと感じました。
この盛りに盛った主人公を繰り出してくる勢いというのはすさまじいもので、細かいところが気になっても『まぁ、些事だろう』と流せる程度の塩梅になっているのです。
その怒涛の勢いで繰り出される設定特盛主人公というのは、著者の放つ瑞々しいセンスの結晶であり、これこそが作品の魅力の最たるものでしょう。
この他では得難い魅力を味わうために、一読してみるのはいかがでしょうか。