話の通じない人の恐ろしさ

 気がついたら密室に拉致されていた人が、そこで恐ろしいものに出会うお話。

 ホラーテイストな現代ファンタジー、もしくは現代ファンタジー設定のホラーです。
 何もしてないのに勝手に降ってきた悲劇という感じで、本当に「こんな目にだけは遭いたくない」感がすごい。

 例えば交通事故みたいなものだったら、まだ「運悪くそういう目に遭う人もいる(それがたまたま自分だった)」と思えるのですけれど。
 こんなわけのわからん「ないはずの何か」に襲われて死ぬのは嫌だ……。

 あくまで人為的なものというか、要は犯人のいる出来事で、一応会話らしいことをしているのですけれど。
 その会話がまったく通じないところが本当に理不尽で好きです。
 すごい。だいぶヤバい人だ……これでは命乞いのしようもない……。

 ヤバい感じの語りのパワーというか、とにかく強烈な印象の作品でした。