隣人
健さん
第1話
永年勤めてきた会社で急きょ転勤が決まりあと15年のローンが残っているわが”豪邸があるため、女房、子供を残して単身赴任で東京から茨城県の納豆で有名な水戸市にやって来ました。一人なので、1LDKで充分ということで、あらかじめ、ネットで探して管理している不動産会社と契約した。この物件のいい所は、家具とか、テレビ、電子レンジ、洗濯機など必要最低限の家具などが初めから備えてあるのである。なので、体と衣服で来ました。あと必要なものは、女房に宅配便で送ってもらえればいい。あとは、”こっち”で買えばいいし。俺の部屋は202号室。建物自体しっかりしてるようだが、隣との壁が薄いのか、声やら、物音が、かすかにきこえてくる。そうだ、一応挨拶しておこう。と、ドアを開けて隣の201号室に行こうとしたら、おっと!びっくりした~!いつの間に?白い着物を着た50代くらいの男が、立っていた。青白い顔した気味の悪い感じだ。「挨拶おくれてすみません。202号室に引っ越してきました。よろしくお願いいたします。」と、言うと、ほとんど、無表情な顔で、「よろしく」と、その気味の悪い男が、言った。それからというもの、隣の部屋から叫び声?みたいな声が聞こえてくる。(熱いよ!痛い!喉が渇いた!)意味がわからない。しかも、毎日だ。(何だろう?大丈夫かな?)と、思っていると、”ピンポ~ン”とインターホンが、鳴った。出てみると、隣の男だ。「何でしょうか?」「水をくれませんか?熱くて喉が渇いてしょうがないのです。」(はあ?水?水道料金支払ってなくて水道止められているのか?)俺は、空いている1,5ℓのペットボトルに水を入れて渡した。「どうもありがとう」と、声にならぬ小さな声で言った。「あのう~。」叫び声が聞こえてくるのですが、大丈夫ですか?と聞こうとしたら、いつの間にいなくなっていた。ほんとうに気色悪い人だな~。しかし、またしても、毎日、毎日聞こえてくるのである。俺はついに受忍限度を超えた。仕事の帰り不動産屋に立ち寄った。連日の奇妙な叫び声について、クレームを入れた。「201号室の方なのですが、熱いとか、痛いとか、喉が渇いたとか、毎日聞こえてくるのですよ。何とかなりませんか?しかも、いつも青白い顔をしていて、はっきり言って気味が悪いです。」すると、担当者は、バツが悪そうに答えた。「え!?201号室ですか?もう1年前から空室ですけど。」「空室??そんな馬鹿な。だいち、対面で話もしてるし、ついこの間、水をくれって言うのでペットボトルに入れてあげましたよ。」「そうですか。実を言いますと、201号室は、事故物件なんです。ちょうど1年前くらいに50代くらいの男の人で、焼身自殺をしまして、部屋の方はもうリホーム済なのですが、、、。」「自己物件?そんな”アヤ”のついた隣に、もう住めませんよ。と、いうことは、あの男は、幽霊ですか?」「わかりました。黙っていた私どもに非があるようなので、今回は、敷金返金は頂きません。1か月の前家賃だけで結構ですので、他の物件ご紹介しますが。」「本当ですか?それじゃあお願いします。」と、いうことで、そのアパートから10㎞離れた場所にある5階建てのマンションで、今度の部屋は301号室の角部屋だ。結果オーライだな。怪我の功名だ。こっちのが、高級感があって、いいや。早速隣の302号室に挨拶しておこう。”ピンポ~ン”。そして、出てきたのが、な、なんと、”あの男”だ!!え?どうゆう事ずら??相変わらず白い着物着て青白い顔して無表情の男だ!(なんだ!憑いて来ちゃったのか?)南無~。
隣人 健さん @87s321n
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