魔法の設定をここまで細かく考えてるのか…!

ハーレムじゃないファンタジーを探していて、この作品と出会いました。

主人公が強くなる理由が、魔力が多いとか属性が多いとかではなく、知力!それも「非認知能力」の高さが根拠になっているのが他にはない魅力だと思います!

凄まじい考察力を示す主人公、起きている間は常に思索を巡らしているタイプの人間で、常に疑問や推論が脳内を飛び交っています。作者様もそのタイプなのでは?と思ったり。

魔法や魔術の違い、力の定義、世界の真理、どれもファンタジーなのにリアル!特に能力開花の方法を読んでいたら、自分もこの通りにやったら力使えるようになるんじゃ…?!と錯覚させられました。
設定がここまでしっかりしている作品はなかなかないです。

設定の細かさと同時に、主人公に「間違えさせる」のがうまいなと感じました。

魔法って何だ?という問いに対して、情報量によって主人公の行き着く答えは変わっていく。「こうだと思っていたが実はこうだった」と更新されていくのは推理小説のようでわくわくしました。

これほど世界観をしっかり決めていたら、正解に辿り着かせるより、間違えさせる方が書く難易度は上がるのではないでしょうか?

すごいのは、間違った理論でも筋が通っていて、毎回「こういう仕組みなんだな」と納得してしまうことです。それを主人公は新しい見方や知識を得る度に自分の考えを訂正してまとめ直していくのです。
そこをしっかり描いているからこそのリアリティと読み応えなのだと思います。