設定、展開、キャラクター、どれも秀逸です。
序盤でこの物語の設定の主軸がすんなりと入ってくるので、読者は自然とストーリーに没入できます。そして読み進めれば読み進めるほど、主人公がどれだけ主であるアンジェリーナを愛していたかが伝わってきます。そのぶん、転生前に見てしまったアンジェリーナの凄惨な姿というのは、主人公にとって酷い苦痛と悲しみを伴うものだっただろうと考えてしまいます。通常ならトラウマとなってしまっても仕方ないような状況の中ですが、主人公は決して挫けず立ち上がり、戦うことを決める。本当に魅力的な主人公で、この先の展開が楽しみです。
とにかく、主人公のご家族があったかい。
細やかな心情描写がなされ、主人公フレイヤが家族から受ける愛情を共に体感しているような気持ちになります。
大切に育てられたフレイヤはひたむきに剣術を学ぼうとしますが、その誠実さ、ひたむきさの背景には必ず家族の深い愛がありました。
息を呑むハラハラドキドキな戦闘シーンは、そんな日々の穏やかさ、あたたかさがあるが故に一層映えるのです。
彼女が持つ前世の主君への忠誠心にも、心打たれるものがあります。
そしてその主君たるアンジェリーナ様もまた、内に秘めたる想いと強さを抱えている。
戦闘シーンを含む素晴らしいファンタジーでありながら読者を飽きさせないストーリー設定、女性読者にとっては嬉しいキュンも…!
果たして、運命は変わるのか。
転生後のフレイヤの活躍はもちろん、彼女を取り巻く魅力的なキャラたちの幸せも願わずにはいられません。
第一章まで読ませていただ来ましたが、興奮冷めやらず。
続きを追わせていただきます。
皆様も、ぜひご一読くださいませ。
企画より参りました。
第一部を拝読した上でのレビューとなります。
騎士見習いの少女が志半ばで息絶え、後に剣聖と呼ばれる少女に逆行転生する物語。
これがただ転生して同じ道を辿るだけに留まりません。
主人公は剣聖となる存在ではありますが、そこに至る努力や研鑽が緻密に描かれ飽きさせません。
戦闘シーンもスピード感や緊迫感が存分に発揮され引き込まれます。
そして、主人公を取り巻くキャラクター達も多彩で、横文字の名前の登場人物が多いのに混乱する事もありませんでした。
歴史や内政の設定も練られており第一部を一気読みしてしまう程の没入感を得られます。
逆行転生だと同じ人生をなぞり未来を変えていくという作品が多い中、こちらは前世では起きなかった事件や出会いがあり先が気になります。
是非読んで頂きたい作品です。
公爵令嬢アンジェリーナの見習い騎士であるクレアは、主の危機をただ見守ることしかできず命を落とした。
そこで終わるはずだった彼女の運命は不思議に流転し、剣聖と呼ばれることとなるひとりの少女に転生する。
かつての主を今度こそ守るため、その身体に宿る剣の才覚と特異魔力を鍛え上げ、剣聖へと成り上がる。
第1章まで拝読した感想です。
戦闘描写が丁寧で、かつ臨場感があってどんどん引き込まれていきます。
各国のパワーバランスや対立派閥、政略など細やかに設定されたフィールドで、個性豊かなキャラクターたちがキラキラ輝いています。
個人的に、アンジェリーナが自分の恋心と公爵令嬢としての役割の間で葛藤する様子が最高で……。もうむずむずドキドキしながら読んでいます。
これからも楽しませていただきまーす!
公爵令嬢付きの見習い騎士だった少女が、その死後、同時間軸の世界線の過去に生きていた少女(未来で剣聖となる)に転生するお話です。
公爵令嬢との仲睦まじい様子から一転、凄惨な形でその生を終え、何某かの力が働いて上記の形で転生をした少女が、今度こそ主である公爵令嬢を守るべく奔走する騎士道ストーリー。主人公のクレア――フレイヤは、溌溂とした優しい少女で、ちょっとおっちょこちょいな所もあれど、理解のある大人たちに囲まれてすくすく成長していくのがとても微笑ましかったです。
暖かい家族や厳しくも優しい先生、そして可愛らしい友人のロゼなど、主人公がのちの悲劇を回避するためにしっかり地力をつける場として申し分のない環境がとても良く、穏やかな気持ちで読み進める事が出来ました。
第二章の後半では、剣聖と呼ばれる所以の才覚があれど、知っていたはずの「フレイヤ」とは違う道を歩み始めた主人公のフレイヤの行く末が気になる展開になっています。
現時点では第一部が完結となっておりますが、ここから先の未来を考えるにまさしく大長編の一節を読み終えたのだなぁとこれからの展開が実に楽しみです。
しっかりとした歩みで少女が前世からの信念を貫く騎士道ストーリー、是非ご一読頂きたいです!
最新話の39話まで拝読したレビューになります。
最初に。ものすごく個人的感情ですが、私は強い女の子のお話が好きです。ファンタジーにおける女の子の戦場と言えば、やはり陰謀渦巻く社交界。美貌や叡智でそれを華麗に切り抜け素敵な殿方とロマンスを繰り広げるのももちろん好きなのですが、それ以上に男性に交じって剣を振るう勇猛果敢なヒロインに強く憧れます。
こちらの作品は、そんな私の趣向にドンピシャでした!
主人公であるフレイヤは、ある日、自分の前世を思い出します。前世の自分は見習騎士で、侯爵令嬢のアンジェリーナに仕えていました。ですが彼女を守り抜くことができず、命を落とします。そしてなぜか剣聖と呼ばれたフレイヤとして10年の時を遡り生まれ変わったのです。
あの日守れなかった大切な人を守るため、そのための力を持って生まれ変わった少女は、幼少期からひたむきな努力を重ねます。特異魔法というフレイヤだけの特別な力はありますが、基本は練習、訓練、努力の積み重ね。だからこそこの少女を応援したくなります。しかもまだ11歳なんですよね。うぅ、フレイヤ、立派だよ……。この過程があるからこそ、将来剣聖としてアンジェリーナの隣に立った時によりいっそう感慨深いことでしょう。そう、物語はまだ序盤なのです。だってほら、タイトルの『鉄血戦記』って、きっとこれからのお話のはずだから。すごくワクワクしますね。
文章はフレイヤの落ち着きのある一人称で進んでいきます。でも、ところどころ子供っぽい部分も垣間見えて微笑ましいです。物語にスッと没入することができますよ。
私のように戦う女の子が好きな方にお勧めしたい一作です。ぜひご一読ください!