思いついたら書く。演劇にも使える短編小説

ヤンデレラの乙女

第1話 ストーカーをされて…

登場人物

男 鷹(たか)

女 沙優(さゆ)








沙優 …あいつが遅刻なんて珍しいわね…


鷹  はぁ…はぁ…おはようございます…!

遅刻じゃないよな…?


沙優 鷹!何してたの!電話してもLINEしても!全然連絡つかないから心配したのよ!?


鷹  ごめん…なかなか寝付けなくてな…

なんとか寝れたけど、寝過ぎてしまってな


沙優 鷹が寝付けないなんて…学校でもずっと寝てるのに…!


鷹  おい…授業中は起きてるわ!

ずっと寝てるコアラみたいな言い方やめろ!


沙優 冗談よ!本当に面白いわね

…でも鷹が寝付けないなんて、何かあるんじゃないの?


鷹  流石だな…沙優にはお見通しってわけか

 

沙優 幼馴染だから当然よ


鷹  幼馴染でもここまで当てて来ることないだろ…

でも…本気で聞くのか?


沙優 急に何よ?聞くって言ってるでしょ?


鷹  いや…かなり重い話だから


沙優 聞くって言ってるんだから早く聞かせてちょうだい?一時間目の授業まで時間ないのよ


鷹  わかったよ…実はな…最近誰かに見られてる気がするんだよ


沙優 誰か?誰なのかわからないの?


鷹  わからないんだよ…後ろ振り返っても

誰もいないし。出かけてる時の道とか

沙優と帰ってない時とか見られてる感じがするし

排水溝からみられてる感じも…


沙優 排水溝ってイットじゃない


鷹  ヘイ鷹…みたいな?


沙優 ボケてる場合じゃないでしょ…


鷹  そうだな…だけど見られてるだけじゃなくて

俺の私物が消えたりするんだよ


沙優 消える?どんなのが消えるのよ


鷹  ボールペンとかタオルとか 

おれが使うものが時々なくなるんだよ


沙優 それかなり困らない?

ものがなくなるのよね?


鷹 新しい物を買えばいいし。大丈夫だよ


沙優 鷹の財布が寂しくなるわよ?


鷹  うん…ちょうど寂しくなってきてる


沙優 じゃあ基本的に私と一緒にいましょう

私といる時はないって言ってたでしょ?


鷹  そうだな…迷惑をかける…


沙優 いいわよ、鷹が困ってるのだから

お互い様よ


鷹  かたじけない…


沙優 大丈夫よ…もう授業が始まるし

移動しないとね


鷹  そうだな!


〜数日後〜


沙優 鷹…遅いわね…


鷹  おはよう…沙優…急ごうか…遅れるし



沙優 鷹!?どうしたの!?あの時より弱ってるじゃない!?


鷹  いや…ポストにこんな手紙が沢山あって

それで俺怖くなって…


沙優 どんな手紙よ!…えーと…

「私はあなたが大好き今すぐ横にいる女から離れて、そうしないと私何するかわからないよ」って…何この手紙…こんなのが沢山入ってたの?


鷹  ああ…こんな手紙がポストにパンパンになるほどに入ってて…


沙優 鷹!今日は私の家に泊まりなさい!


鷹  は!?でも叔母さんに迷惑だし…


沙優 お母さんも快く了承してくれるから!


鷹  でも…


沙優 あなたがこれ以上辛そうな顔をするのを私は見てられない!

だから少しでも!

鷹の助けになるなら!やってあげたいの!

だからお願い…


鷹  わかった…そこまで言われたら 

断れないし…また迷惑をかけるな…


沙優 迷惑なんて思わないわ

だって大切な幼馴染なんだから


鷹  いい幼馴染をもったな…俺は


沙優 そうよ!もっと褒めてもいいのよ!


鷹  すぐ調子に乗る癖をどうにかしたら

もっといいんだけどな


沙優 うるさいわね!早く学校行くわよ!


鷹  ちょ!待てよ…!


〜沙優の家〜


沙優 ふふ…もう私に依存してるようなものよね

…まさか思わないよね

ストーカーしてたのも

手紙を沢山入れたのも

私物がなくなるのも

全部私がやってるなんて

…それにしても、あの鷹の弱ってる顔…

可愛かったなぁ…鷹フォルダに収めたかった…

…ふふふ…鷹?あなたを離したりしないからね♡


ノック)


鷹  沙優〜?いるか〜?ある程度の荷物持ってきたぞ〜


沙優 はいは〜い

ちょっと待ってなさい







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思いついたら書く。演劇にも使える短編小説 ヤンデレラの乙女 @yandereru

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