第9話 帝国
辺境近くにある帝国へと着いた。フェネクスの力を使って、模索しながら、帝国の中へと入る。
さすがは帝国。だが、暗い。
『よし、なら兄の場所へといけ』
(どこにいるの?)
『帝国内の東側だ。そこに居る。そいつにも使い魔が付いているから、連絡する』
やっぱり思う。フェネクスってツンデレじゃないか?フェネクスがその使い魔に連絡している間、俺は影の方に身を潜める。どうやらここは、色々と面倒らしい。特に、悪魔と契約している人間なら、尚更だそうだ。
『よし、連絡が取れた。道案内をする』
(りょーかい)
帝国内を歩き、フェネクスの後ろ姿を見ながら歩いていく。
流石は異世界。帝国では俺が住んでいた日本とは全く異なり、見たことないものや、人の数が多い。少子化問題とかなさそうだ。
だが、夜なだけあって人だかりは………少ない?のか?
昼間になったら、人酔いしてしまいそうだ…。
フェネクスが道案内された道を歩くと、帝都?から離れた一軒家が存在した。周りには家は見当たらず、フェネクスが飛ぶのをやめたため、どうやらここのようだった。
コンコン
ドアをノックし、誰かいないか確認する。夜であるため、電気がついていない。寝ているのかと思い、退散しようと思ったら、窓が明るくなった。どうやら起きたようだった。
「はい、誰ですか?………ん?おお!リオン!」
「あ、ど、どうも」
実際俺は目の前にいる人の事をよく知らない。この人と察したと言う記憶そのものもがない。ひとまずは、家の中へと入れさせてもらえた。
どうやら寝ていたわけではなく、魔導書を読んでいたようだ。
「それで、どうした?」
「え!?あ、あぁー、ええと、家を飛び出してきました」
素直に言うと笑われた。何かおかしなこと言ったか?と思ったが、兄は否定した。フレイスの笑った顔は、ものすごく爽やかだった。もしかすると、結構モテる?
「……なるほど。お前もあの家をか。フェネクス、お前が協力してくれたのか?」
「キョ!」
可愛らしく返事をする。どうやら、2人は顔見知りのようだ。
兄の家は広くもなく狭くもない。普通、と言った感じだ。だが、木で出来ているため、誤って火をつけたら、全焼してしまいそうだ。この日は兄の家に泊めてもらい、俺は兄と一緒に暮らすことに決めた。俺の気持ちを理解してくれる兄が居てくれたのは、正直良かったが、兄から忠告をされる。
この国……と言うより、全部の国では悪魔との契約をしている一家は、災いの象徴と言われている。それを悟られないように、用心しろ。と、兄から念押しされた。
ひとまず、これからどうなるか。俺には想像もつかない。だが、何かが起こりそうな。そんな予感を感じてしまった。
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フレイス・アディントン 兄
使い魔 アモン
魔法 炎魔法
悪魔と絶対契約〜どうやら俺には、悪魔がついているようです〜 猫屋敷 @nekosiki
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