悪党どもがお宝目指してひと暴れ!

 1960年代の南米、ナチスの隠し財産の情報を得た悪党どもが、アマゾンの奥地で冒険するお話。

 上質なピカレスクロマンであり、そして王道のアクション活劇でもある作品です。

 もう何が好きってこの〝それっぽさ〟!
 アマゾンの奥地にナチスの財宝、それを狙う腕っ節自慢の荒くれどもに、1960年代という時代背景。
 みっちり詰まったこれらの設定に、ぴったり寄り添うような展開と文章が、もう本当に気持ち良いです。
 なんでしょう、うまく言えないんですけど、この「わかる、この感じ!」ってなるところが好き。

 しっかり一個のアクション活劇として成立しているのに、わずか4,000文字にも満たないコンパクトさ、というのもまたすごい。
 とにかくスカッと心地よく、まとまりのいい小品です。
 サクッと読めちゃうので気軽に読んでみてください。