入っちゃダメ!!

3.14

入っちゃだめ!

僕の学校には、2つ池がある。

1つ目は、校門を入ってすぐ横にある最近出来たばかりの綺麗な池だ。

日当たりもよく、昼休みには、よくそこへ行って遊ぶ。この暑い夏でもとても涼しい。

学校でもかなり人気のスポットだ。

そして、2つ目。

それは、旧校舎裏にある小さな池だ。

その場所は、いつも日陰でじめじめしている。

この前、ボールを拾いにその池に行ったときなんかは、見たことも無いような、

教科書にも乗っていないような、

気持ちの悪い虫がウジャウジャ居た。

そのときは、秋に近かったが今は、夏だ、。

はたしてどうなっているのやら...。


そして、今に戻る。

僕の目の前には、あの旧校舎がある。

それは、とても古く誰も使っていない。

いや、誰も行きたくないのである。

太陽がギラギラと当たる新校舎を背にし、反対側には、暗く薄気味悪い旧校舎。

僕は、1歩、また1歩と進んだ。

なぜ、僕は、そこまでして"そこ"に行くのか。

実は、ずっと気になっていたのだ。この池が。

勿論この旧校舎もいつかは、入りたいと思う。

僕は、この学校に入学する前にある噂を聞いたのだ。いや、噂と言ってもお化けが出る、だったり呪われる、と言ったものでは、ない。

その学校には、暗い池がありとても気持ち悪い、という噂だった。

なんだよ、気持ち悪いって。

今そう思った人もいるだろう。

あぁ、分かる、分かるさ。でもね、なぜ気持ち悪い、だけなのか。

気にならないかい?

おっと、こんなに話してる間にもう池は、すぐそこだ。

暗い、旧校舎の裏に周り少し歩く、。

クサァ、、。

誰も入らないせいか背の高い草が生い茂っている。

しかし、僕は、ちゃんと今日、この日のために長靴と長ズボンを履いている。

少し暑いが、上は、半袖だ。

そして、この日のことを考えれば余裕で我慢出来る。

僕は、草木をかき分けながら奥へ進んで行った。

「コツンっ」

何か固いものが長靴に当たった。

上から草根をかき分け、その固いものを目にする。


「ここから、入るべからず」


古い木の板にそう書いてあった。

「ここから」ってどういう意味だ...?

まぁ、きっと昔の校長か、なんかの先生が書いたんだろう。

僕は、それを横目にし、奥へとずんずんと進んで行った。

そして、

ワサァッーッ

と、大きな草をどけた瞬間、

目の前に、少し開けた土地が現れた。

「ふぅ...、やっと着いた。」

そして、その奥には、うっすらと池が見える。

僕は、ぐぅっと背中を伸ばし、背負ってあったリュックから水を出した。

ゴクゴクゴク...

「あぁ〜うめぇぇーー」

思わず地面に座り込んだ。

僕は、つけてあった腕時計を見た。

「12:55」

少し、時間がかかったな。

今は、昼休み中だ。だいたい40分間ほど休みがある。

そして、僕は、時短のためお昼のおにぎりを持ってきた。

急いでむしゃむしゃ食べる。

周りをぐるりと眺めると、意外にも太陽の光が入っていて明るい。

前来たときこんなんだったっけな。

僕は、おにぎりを片手に周りの木を調べた。

「うぉっ」

そこには、大きなカブトムシがいた。

足が8本の。

(な、なんなんだこれは…)

僕は、そぉっとそのカブトムシを掴んだ。

裏を見ると確かに足が8本、少しおかしな方向へ曲がっている。

僕は、ついそれを放り投げてしまった。

そして、ふと池を見ると暗い、いや黒い池の底にとてつもなくデカい、そして気持ちの悪い魚が、

"居た"。

「うわァッ」

他にもギョロギョロと魚がところ狭しに泳いでいる。

僕は、怖くなって逃げようとた。

その瞬間、

「ガリッ、ズボボ…」

湿っていた地面に足をすくわれ、池に足が入ってしまった。

深い池、というよりは、底なし沼のようだった。

僕は、手と沼に浸っていない片足を使い必死に沼からはい出た。

浸かった右足のズボンを捲り上げると魚に噛まれたような傷跡が無数にあった。

僕は、手を付き立とうとしたそのとき、手にナニかの感触を感じた。

「ムニュゥ」

地面に付いた手を離すとそこには、バッタが居た。

ピンク色のだ。

きっとこれは、ショウリョウバッタで、ごく一般的なバッタだ。

なのに何だこの色は…、。

そこからまじまじと周りの草っ原を眺めると色々なカラフルな虫が見えてきた。

僕は、一気に気持ち悪くなり今度こそ立ち上がり、地面に置いてあったリュックを背負った。

一生懸命その池、いやその森から逃げ出した。

走って、走って、走って…

やっと、新校舎、先生達が見えてきた…、

もうすぐだ、もうすぐだ…、

そして、その瞬間…

地面が顔に向かって倒れてきた。

僕は、その場にうずくまった。


目をさますと、

なにか口に呼吸器?を付けられいて、周りを見ると医者…?達が話している。

これは…、重大で…

命が…、何分いたんだ…、あの…場所に

彼は…浴びている…

大量…放射線…を…。


僕は、今きずいた…。

「ここから、入るべからず」の、

「ここから」の意味を。


そして、なぜあの場所の生き物は、奇形だったのか。


福島第一原発の近くでは、異常な形をしたお花、動物が見つかっている。

「完」











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