自分では言えない・・

私はバツイチの31歳だ。身長156センチ 体重45キロなのでかなり細い。私は他の人の太ももぐらいしか胴回りが無いのだ。 私は以前 結婚をしていた時に妊娠出産の経験がある。この細いお腹に赤ちゃんが宿り、たったの9ヶ月でパンパンに大きくなった。だから私には酷い妊娠線があるのだ。


今の彼に初めてホテルに誘われた時、私は彼に申し訳なくて、服を脱ぐのがとても辛かった。


「ごめんね、こんなお腹で・・妊娠線なのよ・・」


彼は驚いた様子で、


「こんな細いお腹で妊娠すると、こういう事になるのか?・・」

と感心しながら、私のお腹を撫でまわした。暫く妊娠線の話で盛り上がったが・・逆にエロムードが盛り下がってしまった。


そして私には、人の知らない事がもう一つ有る。それはセックスの時にアクメになったことが無いという事だ。元ダンの時も今の彼の時もイッタ事かない。気持ちは良くてセックスは好きなのだが、最後の所でイッタ気がしないのだ。


イカないと言う事は、興奮が終わらないという事だ。相手はイッテ興奮が終っているのに、私は終ってなくて、何時までもムラムラやモヤモヤが続いてしまうのだ。


「ねえ、あのラブホテル可愛いよね!入ってみようか!」


「おいおい、今ラブホから出て来たばかりだろう?又ラブホに入るのかよ!」


私はセックス終わって無いので、1日に何度も抱かれたくなるのだが、これじゃあ私はまるで淫乱女だ。セックスの時、私が相手に合わせて、イッタ振りをするので、それがまずいのだが・・


「ねえ・・お前さあセックスの時、イッテ無いよね。それって俺が下手だからか?」


それなのだ、そう思われるのが嫌だから、イッタ振りをしているのだ。


「違うのよ、私はイッタ事が一度もないの・・あなたのせいじゃあないから。」


「そうなんだ・・言ってくれたら良かったのに。」


その日からだった・・

彼が私をイせるための使命感を持ったのだ。色々な道具をネットで買ったりして、私をイカせようと懸命に努力をしてくれる。しかしそれが返って、心理的に逆に働いて、益々イキそうも無くなるのだ。


そんなある日の事、私は彼とお気に入りのラブホでのんびりと過ごしていた。コーヒーを淹れ、コンビニにで買ってきたスイーツを、彼と二人で食べていた時の事だ。


テレビでは古いエロビデオが流れていて・・和服の綺麗なお姐さんがやくざに捕らえられ、柱に括り付けられるという設定で・・・私はあまりポルノは見ないのだが、その時はそのお姐さんの、肌の入れ墨に目が止まって・・その肌に食い込む赤いロープがとても綺麗で・・私はスイーツの事も忘れるほど見入っていたのだった。


彼が私の目線に気が付いたらしく私とテレビとを見比べている。


彼は立ち上がると備え付けのローブの腰ひもを2本持って来て、私をソファーに座らせた。 そしてソファーの、木製の取っ手に、私の足をM字状に縛り付けたのだ。それだけで私は、テレビの中の姐さんと私が重なって、異常な興奮に襲われた。彼の唇が太股を這い核心に近づくと、私は既にイキそうな予感にとらわれた。腰が浮くように震え出すと私は確信した。 ・・私は初めて・・これから・・イクのだと・・










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吐息の『愛の物語短編集』 紅色吐息(べにいろといき) @minokkun

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