個人的な考えかもしれないが、自然から遠く離れたところに本があると思う。
人としての共同体感覚としての言葉。動物である人が人として存在するための言葉を、筆者は巧みに使い自然を表現している。
本を書く者なら誰しも苦戦を強いられるのが、情景描写ではないだろうか?少なからず自分は情景描写が苦手だ。自然を文字で表すのは難しい。
ただ筆者は自然の中に溶けるような感覚で、ありのままの自然を文字で体現している。
もし一読して、面白い!と思ったのならば筆者の近況の写真にも目を向けて頂きたい。ファイダー越しではあるが筆者の目線でモノを見る事ができる。そこから見るキノコや蝶は、路傍の石ころのようでいて芸術なのだ。
気づかぬうちに人と自然とを線で隔てていた自分にとって、自然の捉え方を考え直させてくる素晴らしいエッセイでした。
近況ノートに上げられる写真と本文がセットになった野山散策エッセイです。
日頃目にする草花から、珍しいキノコ(※キノコは菌類なので植物ではありません)、身近なところに溢れている食べて美味しい薬草から、ひと触り一口で危険一直線の毒草(毒キノコ)まで、とにかく幅広く紹介されています。
任◯堂所属の某土管工兄弟が食べてるスーパーキノコ、
赤い傘に白丸印が可愛いお馴染みのパワーアップアイテムですが、
!!!あいつ、現実世界では猛毒キノコです!!!
食べたらダメ、ゼッタイ。
それはさておき、
本家本文も非常にテンポ良く、単話にまとめられていて、とても読みやすいです。
豆知識以外にも関連する草花や季節の俳句、短歌、狂歌といったものも折々交えて、非常に興味深く拝読できる身近な自然の知識の宝庫です。
隙間時間にもサクサク読めて、
ちょっと賢くなれること間違いなしの楽しいエッセイ教本なので、ぜひ一読を。