第2話

 ある朝目覚めると、天窓からのぞく青空が綺麗で見とれていた。いつも見ている空なのにどうしてこんなに毎回ちがうのだろうか。まるで人の心のようだとマリアはこころのなかでつぶやいた。そうマリアも変わりやすい心の持ち主であった。

 変わりやすいとはどういうことだろうか。ある人にはそういう変わりやすい人はとても嫌われてしまうのかもしれない。

しかしマリアは我が道を突き進む方がいいことを知っていた。

 小さなことでは、目的地点までいくために自転車で行くとする。その場合、メイン道路を通った方がいいか、裏道を通った方がいいか、はたまた途中まで裏道でそこからメイン道路がいいかなど道を日によって変えることはたびたびであった。

 青春時代のマリアは、実は道を変えればいいということにさえ気づかなかった。あるいは、怖かったのかもしれない。道に迷うことが。。。そうマリアは方向音痴でもあるのだ。

友達の家に2回目いくのに1時間くらい迷ったこともある。

 でも学校にいくのに、毎回同じ道を通って飽き飽きしてしまったこともある。そのとき、友達のキクに言われた。「違う道を通ってみたら?」言われてみれば、簡単なことだがなぜそれができないんだろうか。新たな道を通ることの怖さがあったからだ。なるべく知っている道を通る方がマリア的には怖くない。そして安定だからだ。

 安定と飽き飽きした気持ちからの離脱、どちらを選べばいいんだろう。

人生はときとしてその繰り返しなような気もする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

マリア ななみん @nasminmin

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ