鵬翼と彗星のジャンヌダルク

有栖川 黎

プロローグ:彗星の飛来

 皇帝歴元年:ブレダ王国:空軍通信記録



《 複数の飛翔体を後方に発見…回避せよ》


「飛翔体…確認」


「現在、時速400キロメートルで飛行中これより回避する」


《了解、付近にいる帝国軍機に警戒せよ》


「敵機確認、飛翔体の振り切り不可能…これより敵機編隊を最大速度で突破する」


《了解…無事に生還せよ》



 <通信終了>




<ブレダ王国:北部ベレッタ>


 耳を貫くような爆音が耳の螺旋を駆け抜け、そこに居座る。

 空はかつての青さを失い、盲目と化した市街地は血にまみれて屍の山を築く。


 そんな中、眩い閃光が夜を照らした。


「見て!あの光」


 白く輝く無数の星々はいくつも地球に飛来し、帝国軍の航空機部隊から私たちの街を守ったのである。


 しかし彗星の飛来により街は壊滅してしまった。


 そんな中、凄まじい速さで赤い炎の尾を描くように、まるで彗星の如く飛行するブレダ王国軍機の姿があった。


 しかし、星の欠片と衝突してしまい飛行機は激しく燃え上がり青白い炎を纏いながら星々と同じように激しい光を放ち焼失してしまった。

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鵬翼と彗星のジャンヌダルク 有栖川 黎 @Asaka_ray

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