信長変身の戦国無双(仮)

shizuku

プロローグ

『伝えられた歴史が綺麗すぎる』

と呟く青年がいた。

勿論もちろん歴史を教科書から学ぶに当たって、

分かりやすく大まかな内容となっているのは当然だろう。

記録に残されない限り、歴史を知る者は

それを実際に見た人に限られるのは必然。

そこで

『伝えられてる歴史の事実はズレているのではないか』

と青年は考えた。


例えば

『クリストファー・コロンブスが新大陸を発見した』

という歴史がある。

しかしこれは見方を変えれば

『新大陸ではない』と考えることもできる。


例えば顔がブサイクすぎて教科書に載せられる顔写真を捏造ねつぞうされた歴史人物だっている。

この場合教科書を見た学生は

『この人結構イケてない?』というが、

実際は全くイケていない。


故に青年は思うのだ。

もし仮に戦国武将の霊がいるとするなら。

そしてその霊が歴史の授業を覗き込んだなら。

『俺の歴史、全然っげええええええええ!?なんで俺の栄光が全然違う形で伝えられてんだ?!』

というツッコミを入れるのではないかと。


青年は天才だった。

3歳の頃から小学6年生が学ぶべき内容を習得。7歳の時には飛び級で高校を卒業。

大学には入らず発明に力を入れ始め、

『今の時代では実現不可能なハズの道具』

を次々と量産した。

そんな若くして数々の奇跡を作った青年は、

学生時代に授業で学んだ「歴史」について

真実を確かめるために

歴真実確立機れきしんじつかくりつき』さえも製造した。

つまるところ、タイ◯マシーンである。

だが、人生に失敗は付き物。

試しに戦国時代へ飛ぼうと確立機を起動し、もうすぐ過去へ着くその時。

確立機は爆発した。

青年は初めて自分が発明に失敗したことに驚き、悔やんだ。

そしてふと思い至る。

何故自分は爆発に巻き込まれてなお生きているのか。

不思議な感覚に陥って周囲を見渡したところ

─────兵士達が、そこにいた─────





これは、発明の失敗をして信長に姿を変えてしまった天才青年の『戦国無双物語』。

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信長変身の戦国無双(仮) shizuku @shizurano

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