五文字太郎

五文字太郎

昔、爺、婆いた。

爺、山へ芝刈。

婆、川へ洗濯。

婆発見する。

流れる大桃。

けど婆非力。

桃拾えない！

桃下流に。

海漂流。

十六年経過……

流れ着く。

未だ桃新鮮。

桃拾うは鬼。

鬼桃割る。

中、人間いた。

鬼歓喜！

桃と人間。

食べ物二つ。

「今日ごちそう！」

次の瞬間。

鬼死亡。

五文字の掟。

破ると死ぬ。

これ常識。

「助かった」

人間、逃げる。

必死に逃亡。

桟橋に着く。

「あれは舟？」

人間、舟乗る。

逃亡成功。

けど水無い。

食べ物無い。

人間、ピンチ。

更に嵐来る。

舟転覆。

「あああああ！」

溺れる人間。

意識消失。

時が過ぎる……

「あれ、ここは？」

人間起きる。

どこか家中。

「大丈夫か？」

部屋見る。

そこに男いた。

手には椀。

湯気が立つ。

「これでも飲め」

男死亡。

五文字の掟。

破ると死ぬ。

これ常識。

椀の中。

男の血含む。

しかし人間。

空腹やばい。

「ごくごくっ」

美味かった。

塩と鉄の味。

感謝捧げる。

後、部屋物色。

「服発見！」

「刀発見！」

「食べ物発見！」

「金発見！」

人間、盗む。

遠慮しない。

「外に出よう」

人間、外出る。

場所、海近く。

砂浜歩く。

「引っ込むな！」

「死ねこら！」

「茹でてやる！」

「すっぽんみてえに、鍋にして食ったらうまそうだなあ。ひぇっひぇっひぇ！」

五文字の掟。

以下略。

「やったな！？」

「仲間の命が！」

「仇討ちじゃ！」

人間目撃。

人の業。

亀嬲る人達。

人間、刀抜く。

ずんばらり！

一刀両断。

人達皆殺し。

一面血の海。

「ありがとう」

亀が言う。

「気にするな」

「お礼する」

「いらぬ」

「そう言わず」

「仕方ない」

人間、亀乗る。

海潜る亀。

「がぼぼぼぼ」

溺れる人間。

意識消失。

時が過ぎる……

「あれ、ここは？」

人間起きる。

どこか家中。

「大丈夫か？」

「オーライ？」

部屋見る。

そこには魚。

二匹の魚。

「何奴！？」

「我ヒラメ」

「ミーカレイ」

二匹の魚。

順に話す。

区別できぬ。

「ここ竜宮城」

「エンジョイ！」

人間混乱。

何故息可能？

「体弄った」

「水オーケー！」

人間、体見る。

変化ない。

「まあいいか」

人間、能天気。

「乙姫待つ」

「カムヒア！」

案内される。

そこは宮殿。

タイヒラメ。

舞い踊る。

「素晴らしい」

「よくきた」

「あなたは？」

「我乙姫」

乙姫魚違う。

人間似てる。

「お前甲姫」

突然イミフ。

人間、困惑。

「我の実姉」

「なんと！」

人間驚く。

「我、栗から」

「私、桃から」

「他に柿いる」

「なんと！」

驚愕の連続。

「桃の甲姫」

タイが言う。

「栗の乙姫」

ヒラメ言う。

「柿の丙姫」

カレイ言う。

「天魔三美姫！」

魚達声揃う。

「私、天魔三美姫？」

次の瞬間。

甲姫死亡。

五文字の掟。

破ると死ぬ。

これ常識。

バッドエンド

…

……

………

…………

……………

少し間空く。

次の瞬間。

書き手死亡。

五文字の掟。

破ると死ぬ。

これ常識。

例外無い。

真エンド？