第4話 ハングル先輩

 漢字を使わなくなったと言えば、日本よりも先に朝鮮がある。韓国人たちは元々漢字を使用していたが、自らハングルを作成し、今では漢字はほとんど使わずにハングルだけを使用している。若者などは漢字をほとんど知らないそうだ。つまり、日本も彼らと同じ道を辿ろうとしているのである。

 ならば、簡単だ。ハングルは比較的新しく作成されたので、理路整然とした文字だ。だが、表音文字であるところが、仮名と同じだ。つまり、文字に意味はなく、音を表しているだけなのである。同じ音で違う意味の言葉も、文の前後から類推すれば済む。だいたい、漢字を覚えなくていいというのは楽だ。人は楽な方へ流される。今まできっかけがなくて漢字の使用を続けてきたが、きっかけさえあれば漢字など無くした方がよかったのだ。漢字が無くなって悲しむのは、漢字検定準一級を持っている作者を始め漢字が得意なほんの一握りの人と、漢字の研究者くらいのものだ。

 そうして、学生が漢字を学ばなくなる。小学生の勉強のほとんどが漢字学習だったから、それがなくなれば代わりにプログラミングやら、英語やらが出来る。中学生くらいになるとローマ字では物足りなくなって、漢字の当て字で文を書いたりしたものだが、これからはハングルを使ったりするようになるだろう。ハングルだって覚えた方が色々と便利だ。韓国料理の食材がすぐに分かる。

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